2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650149
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
富岡 淳 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40217526)
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Keywords | 血液 / 軸シール / 定常流型人工心臓 / メカニカルシール |
Research Abstract |
定常流型人工心臓をより長期間使用するうえで大きな問題となっているのは,軸周辺部での血栓の生成,血液の漏洩と発熱などである.これらを解決するために,生体適合性力高く,小型・長寿命.'高性能な血液密封機構を開発・研究する必要がある.本研究は,人工心臓用に開発されたメカニカルシールを対象として,血液の軸シール特性を明らかにすることを目的とする. 理論解析においては,潤滑方程式から得られる流体膜圧力と,弾性接触理論から得られる接触圧力が,シール面同士を押し付ける負荷圧力と釣り合うと仮定することにより,流体膜の圧力分布,膜厚さ,および密封流体の漏れ量を算出した.温度分布の算出はエネルギー方程式を用いた.その結果,熱を考慮した定常流型人工心臓用メカニカルシールの潤滑特性を明らかにすることができた. 一方,実験においては,密封溶液としてHt値を40[%]に調整した豚の血液・Mg水溶液,冷却水としてMg水溶液・純水を用いて実験を行った.実験後,密封溶液および冷却水のサンプルを酸分解で処理し,ICP(誘導型結合プラズマ)発光分析器を用いてCaとMgの濃度を測定することによって漏れ量を算出した.実験の結果,クーリングウォータの漏れ量の方が,密封溶液の漏れ量より約0.008[ml/h]多いことがわかった.また,メカニカルシール摺動面を通じての漏れ量は,約0.025[ml/h]で時間比例的に増えることがわかった.そして,双方向とも少量であり,本研究で用いたメカニカルシールは血液ポンプ用として充分な密封能力を持つ事が分かった.さらに,ICP発光分析器を用いた発光分析法は,漏れ量測定の評価方法として最適である事が分かった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 富岡淳: "赤血球の変形能が血液のレオロジ特性に及ぼす影響"トライボロジー会議予稿集東京200-5. 2001-5. 131-132 (2001)
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[Publications] 富岡淳: "冷却システムを備えた血液ポンプ血液ポンプ用メカニカルシールの密封特性"平成13年度春期研究発表講演会講演論文集. 日本設計工学会. 83-86 (2001)
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[Publications] 富岡淳: "赤血球の加齢が溶血特性に及ぼす影響"平成13年度春期研究発表講演会講演論文集. 日本設計工学会. 107-110 (2001)