2000 Fiscal Year Annual Research Report
流動分散構造の異方性により発現するサスペンション・コロイド系の機能性の利用
Project/Area Number |
12650159
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鳴海 敬倫 新潟大学, 工学部, 助教授 (20143753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栂 伸司 富山商船高等専門学校, 電子制御工学科, 講師 (90270248)
長谷川 富市 新潟大学, 工学部, 教授 (80016592)
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Keywords | サスペンション / コロイド / 流動構造化 / 記憶効果 / 機能性流体 |
Research Abstract |
濃厚系サスペンションとコロイドで見られる粒子群の構造化を流体の機能として利用するために,本年度は流動構造の解明とその構造の流れ場への影響について検討した。 まず,濃厚系サスペンションについては振動回転する平行二円板間の流れで見られた流動再構造化過程について粒子径分布の影響などを系統的に調べた。その結果,体積分率が高くなった場合,再構造化に要するひずみとその影響で生じる粘性の増加は定常的な流れ場と変動が加わる流れ場では異なり,粒子径がそろっている単分散系で特に定常流での構造化の影響が顕著であることが明らかになった。また,スクイーズ流れ場での流動構造化の影響についてJamming(つまり)現象などに関連して,非常に弱いスクイーズ流れでのBingham性を調べ,伸張的な変形が加わる流れ場ではその構造化状態はせん断流れ場よりも固体的特性が強まることを明らかにした。これらの点から流動構造化の状態に関する基礎的なデータが得られ,次年度の構造化状態の更なる解明とその応用への基盤が出来た。 また,コロイドに関しては微小オリフィスを通過する流れに脱塩処理したコロイドと塩を加えイオン濃度を調整したコロイドを流し,流量の安定性を比較した。その結果,流れの安定性には多くのファクターが関わっており,複雑ではあるが,その安定性と流動抵抗の変化にはコロイド粒子間に働く斥力による不安定性とコロイドの凝集の影響が大きい事を明らかにした。これらの点をより明確にするために,イオン濃度の正確な管理を行い,検討を続けている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Narumi,T.Hasegawa 他4名: "Transient behavior of concentrated suspensions after a stepwise change in shear direction"Proc.13th Int.Congr.on Rheology. Vol.4. 193-195 (2000)
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[Publications] S.Toga,T.Hasegawa and T.Narumi: "Anomaly in Excess Pressure Drops of Deionized Colloidal Dispersions Flowing through Orifice"Proc.13th Int.Congr.on Rheology. Vol.4. 199-201 (2000)
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[Publications] 鳴海敬倫,鈴木敦士,Howard See,長谷川富市: "濃厚系サスペンションの振動流れにおける流動再構造化"第50回理論応用力学講演会講演論文集. 479-480 (2001)
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[Publications] 佐藤文生,鳴海敬倫,長谷川富市,Howard See: "スクイーズ流れにおける濃厚系サスペンションの流動構造化による履歴効果"日本機械学会北陸信越支部第38期総会講演講演論文集 平成13年3月15日発行. (2001)