2001 Fiscal Year Final Research Report Summary
混合蒸気の濃度差マランゴニ凝縮における赤外レーザー吸光法による凝縮液厚さ測定
Project/Area Number |
12650194
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
宇高 義郎 Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 教授 (50114856)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Keywords | 熱伝達 / 相変化 / 凝縮 / 混合蒸気 / 表面張力 / 水-エタノール / マランゴニ対流 |
Research Abstract |
"Positive system"と呼ばれる低沸点成分に比べて高沸点成分液の表面張力の大きい混合蒸気系の凝縮過程において、濃度差表面張力不安定によって、表面の温度分布に起因する濃度・表面張力分布が生じ,擬似的な滴状凝縮などの凝縮液形態が出現する。凝縮液抵抗は低減し、伝熱性能の飛躍的な向上が見られる条件が比較的広範に現れる。本研究は、濃度差マランゴニ凝縮現象の熱伝達機構・特性を解明するため、波長3.39μm赤外レーザー光の吸収特性を用いる新たな方法により、本現象における凝縮液膜厚の変化特性の精密測定を行うことを目的として、以下の結果を得た. (1)水-エタノール混合液体の消光性質を明らかにした.(2)レーザ光の集光により,微小な薄液膜部寸法に対応する直径約30μmのレーザ光照射寸法を実現した.(3)液膜厚さ測定位置と凝縮液挙動の対応関係を明確にした.(4)本測定の液膜厚さ1μm程度の測定へ適用可能であることを示した.さらに、(5)液膜厚さと凝縮液挙動の同時観測により,離脱液滴による掃除後の薄液膜および液滴間薄液膜の厚さ変化の測定を行った.(6)低過冷度領域から初生液滴間隔の減少に伴い最小液膜厚さは減少する傾向を示し,さらに冷却強度を増大させると,初生液瀧間隔および最小液膜厚さとも増大した.(7)最小液膜厚さは濃度の減少に伴って減少し,本測定の範囲においては約1μmであった.(8)本研究と既報の結果から,極大熱伝達率付近の過冷度域で,初生液滴間隔,離脱液滴直径,最小液膜厚さとも最小となることなど,凝縮特性曲線における熱伝達率変化特性とそれらの特性量変化の間には類似の対応関係が存在していた.(9)上記(8)から,熱伝達率のピーク付近で駆動力は最も強まると推測され,凝縮液膜は薄膜化し,その結果としての凝縮液熱抵抗の減少が熱伝達率向上の主要因の一つとなっていることが結論される.
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Research Products
(4 results)