2000 Fiscal Year Annual Research Report
軽水炉シビアアクシデント時の溶融凝固燃料の冷却・事故拡大防止に関する研究
Project/Area Number |
12650213
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
小泉 安郎 工学院大学, 工学部, 教授 (20215156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 浩靖 工学院大学, 工学部, 講師 (40255609)
宮下 徹 工学院大学, 工学部, 講師 (00100371)
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Keywords | 軽水炉シビアアクシデント / アクシデントマネッジメント / デブリ冷却 / 圧力容器内壁冷却 / 狭間隙冷却水侵入 / 二相流動沸騰 / 対向流落水制限(CCFL) / 限界熱流束(CHF) |
Research Abstract |
まず実験装置制作を行った。試験流体にはAK225を使用する予定であったが、報告者達のこれまでの本課題関連研究との連続性確保の観点から、R-113を使用することにした。装置は密閉ループであり、テスト部、上部プレナム、コンデンサ兼液だめタンク、ポンプ、流量計及び熱電対等の計装品で構成される。テスト部は内径40mm、外径80mm、長さ220mmの銅製ブロックである。この銅ブロックの外側にシースヒータを巻き加熱する。加熱長さは200mmである。銅ブロック内側にはガラス管を入れ、銅ブロック内壁とガラス管外壁間に環状のテスト流路を構成する。テスト部は垂直に配置される。環状流路の間隙は0.3、0.5、1.0 2.0、5.0mmの5種類である。テスト部外壁から内壁近傍まで熱電対を入れテスト部温度を測定する。鉛直方向8箇所、周方向に4箇所、計32箇所でテスト部温度を測定する。実験は0.1MPaで行う。ガラス管内側にファイバースコープを挿入し、流動状況をCCDカメラで撮影記録する。 実験装置完成後、直ちに実験を開始した。実験は、流下液による下部密閉系(下端閉鎖、発生蒸気上方排出)狭隘環状流路高温壁リウエッティング実験である。テスト部を約250℃まで昇温し、飽和温度にあるR-113液をテスト部上部プレナムに導きテスト流路へ侵入させる。流路伝熱面の冷却が始まり、全長にわたって冷却が完了して実験は終了する。この間のテスト部熱電対からの出力をAD変換器を介してPCへ取り込み収録する。収録された温度データーから伝熱面熱流束、並びに伝熱面表面温度を計算にて求める。 流路間隙が5.0mmと広い場合は、高温伝熱面は伝熱面への液の到達により順次急冷されていたが、0.5mmと狭い場合には流路壁面の急冷は生じず、緩慢に流路壁は冷却されていた。今後新たに取得される実験結果と併せ、詳細解析を進めていく予定である。
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