2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650220
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
松田 理 石川工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (10110157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧本 昭 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20019780)
佐野 博昭 石川工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (50187275)
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Keywords | ゼオライト化 / 石炭灰 / ガス吸収 / 二酸化炭素 |
Research Abstract |
本研究は,石炭火力発電所から排出される産業廃棄物としての石炭灰をゼオライトに転換し,それによって排ガス中の炭酸ガスを吸収する新しいガス分離回収法の開発を目的として遂行するもので,今年度の実績は以下の通りである。 (1)火力発電所から排出された石炭灰を水酸化ナトリウム水溶液と反応させることによりゼオライト化できることを確認した。方法は,X繰回折装置(マックサイエンス社MXP3VA-IK12(使用X線:Cu線))による粉末法ならびに陽イオン交換容量の測定によるもので,フィリップサイト鉱物の生成が確認された。 (2)ゼオライトによる炭酸ガス吸収実験を実施すべく,開放型の流路を持つ実験装置を設計・製作した。また,この装置により吸収実験を行った。具体的には,初期濃度0.3%vol一定の乾燥空気-炭酸ガス混合気をゼオライト層に通すことにより炭酸ガスの吸収量を測定した。測定には,赤外線式ガス濃度測定装置(島津製作所CGT-7000)を用い,ゼオライトの充填量,粒度による吸収量への影響を調べた。その結果,充填量が多いほど,粒度の細かいものほどガス吸収量は多くなるが,本実験装置のように開放型のものではゼオライト層通過後の炭酸ガス濃度は,ゼオライトの吸収力が飽和するまでは低下するものの,飽和後は時間と共に高くなり,やがて初期濃度に戻る経過を辿る。ガス吸収速度については,本実験範囲内では明確な差が現れておらず,今後の詳細な追究を待たねばならない。 (3)ゼオライトの繰り返し使用を目的に,一旦,炭酸ガスを吸収したゼオライトを再加熱し炭酸ガスを除去する再生処理を行ない,その後の吸収力を調べてみた。その結果,繰り返し回数が多くなるほど吸収量が減少する事がわかった。なお,この実験では再生温度がゼオライト特性の保持と関係し,本実験では250℃以下の温度で再生することが必要と判明した。
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