2000 Fiscal Year Annual Research Report
面駆動型空気圧ソフトアクチュエータを用いた介護支援ベッドの開発
Project/Area Number |
12650250
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
則次 俊郎 岡山大学, 工学部, 教授 (70043726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岩 昌弘 岡山大学, 工学部, 講師 (60243490)
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Keywords | ソフトアクチュエータ / 介護支援ベッド / 空気圧制御 / 床ずれ防止 / 体圧分散 / 人体搬送 / 医療・福祉機器 / 人間共存型機械システム |
Research Abstract |
研究代表者らが提案している面駆動型ソフトアクチュエータの原理を応用して、ゴムボールを用いた空気圧駆動介護支援ベッドを開発した。ゴムボールの組み合わせは上下2段(2層)構造であり、409個のソフトテニスボールにより構成される。これらのボールは8グループに分けられ、それぞれのグループに属するボールの内圧は同一の圧力に制御される。上段ボールが人体と接触し、上下段のボールはベッドの用途によってそれぞれ異なる役割を果たす。本研究では、床ずれ防止、体位変換および搬送機能を実現するために必要な基本動作として、体圧分散制御および搬送性能を実験により考察した。これらの結果を記述する。 1.体圧分散制御 下段ボールの内圧を一定圧力に保持した状態で、上段ボールの内圧を増減させる。内圧の増加により膨張した上段ボールに対する体圧は上昇し、内圧の減少によって収縮した上段ボールに対する体圧は低下する。したがって、上段ボールの内圧を制御することにより、人体のそれぞれの部位に作用する体圧を調整することができる。これにより本ベッドは床ずれ防止に有効な体圧分散制御が実現でき、さらに体位変換と等価な機能が得られる。 2.搬送性能 面駆動型アクチュエータと同様、下段ボールの膨張・収縮により上段ボールの揺動運動を制御し、上段ボールにより人体を支持するとともに搬送方向への進行波を生成する。試作したベッドによって人体相当の重量物の搬送が可能であることが確認されている。しかし、現状では、搬送動作を行うためには、上段ボールと人体の間に薄板などの干渉板を敷く必要がある。また、搬送速度は毎秒数ミリメートル程度である。 以上により、本研究で開発したベッドの床ずれ防止機能は十分に実用的であると考えられるが、搬送時のベッドと人体の干渉および搬送速度の向上が今後の課題となる。
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Research Products
(2 results)