2000 Fiscal Year Annual Research Report
位相検出型波長走査干渉法による非球面形状測定の広面積化
Project/Area Number |
12650259
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
加藤 純一 理化学研究所, 光工学研究室, 先任研究員 (70177450)
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Keywords | 形状測定 / 干渉法 / 波長走査干渉法 / 位相測定 / 開口合成干渉法 / 自由曲面 |
Research Abstract |
本研究では,様々な工学的形状を非接触かつ高分解能・高精度で測定するための光波干渉計測法の開発を目的とする。従来の干渉法の欠点であった1/2波長を越える段差の測定困難性を克服できる波長走査干渉法を基本とし,その測定領域の拡大を行うために撮像素子のサンプリングピッチを越える干渉縞密度における位相検出波長走査干渉法の測定精度,拡大面積の限界を明らかにすることを目指した。 まず,10nm程度の波長走査を行える外部共振型半導体レーザーを光源とした干渉計と位相シフト法による位相検出を組み合わせる方法に基づく波長走査干渉計システムを試作し,その誤差要因を緻密に調べた。結果として,光学系における裏面反射成分,特にCCD素子の保護ガラスの反射成分が大きな誤差要因となることを見いだし,これを取り去ったカメラを用いるなどの対策により従来に比較して1桁の精度向上が計れ,40nmの高さ分解能を実現できることを実証した。またこの結果を受け,位相検出波長走査干渉法により得られる絶対高さデータと単色干渉法による位相情報を融合できることを示した。 また,縞密度が撮像素子のサンプリングピッチを上回るsub-Nyquist条件下における精度および限界について詳細に調べ,現有の光学系においては2倍から3倍程度までの測定領域拡大が測定精度の大きな低下なしで行えることがわかった。この結果より,参照面および干渉計全体の位置・姿勢走査による多次元開口合成干渉法による自由鏡面形状の測定法確立のための走査サンプリング条件を大幅に軽減できる見通しを得た。また,CCDカメラによる物体波面の記録と計算機中での像再生を行うデジタルホログラフィとの複合も試み,粗面形状測定における結像系不要の開口合成干渉法の実現の可能性も示すことができた。これらの結果を受け,実際の開口合成干渉計システムの構築を目指す。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] J.kato, and I.Yamaguchi: "Phase-shifring fringe analysis for laser diode wavelength-scanning interferometer"Optical Review. 7・2. 158-163 (2000)
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[Publications] L.Paulsson,M.Sjeodahl,J.Kato,and I.Yamaguchi: "Temporal phase unwrapping applied to wavelength-scanning interferometry"Applied Optics. 39・19. 3285-3288 (2000)