2002 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟な輸送システムのための3自由度電磁石の浮上制御と二次元駆動の研究
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12650267
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古関 隆章 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (20211899)
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Keywords | 磁気浮上 / 浮上制御 / オブザーバ / 搬送システム / リニアモータ / 二次元駆動 / ゼロパワー / 永久磁石 |
Research Abstract |
平成14年度は、平成13年度までの研究成果に基づき、一次元のリニアモータとの組み合わせで駆動を行う場合の駆動系・浮上系の干渉や、浮上の信頼性を実験で検証し、さらに、二次元駆動の基礎的な検討および実証試験を中心に行った。浮上と駆動を同時に行うことで、磁束あるいは浮上力に対して持続的、周期的な外乱が入ることを想定し、そのような外乱により強い、外乱オブザーバを活用したセミゼロパワー浮上方式を昨年度考案した。それをゆっくりとしたゼロパワー制御と理論・実験の両面から比較した。その結果、提案手法はギャップ長制御方式とゼロパワー制御の中間的周波数特性を設計者の意図により任意に調整することが可能であることが明確化され、提案手法の有用性を、説得力を持って示すことができた。 実験としては、まず比較的長ストロークの一次元駆動実験を行った。リニア同期モータにおいて位置検知を行い、駆動方向の位置、速度情報をフィードバックすることで、浮上・リニア駆動共に精度良くフィードバック制御できることを実験で確認した。 さらに、日本大学の大平教授・乾講師の協力を経て、同グループの開発した二次元リニアモータとの組み合わせによる浮上電磁石の駆動制御および基本的分岐性能の検証を行う実験を行った。二次元駆動においては、平面内における駆動方向の位置検知を実用的に簡単に行うことが難しく、今回の試験では駆動方向には開ループ制御の形で駆動試験を行った。駆動が開ループ制御であること、ヨーイング方向には制御の手段を持たないことから、駆動時に若干のふらつきを生じる問題は残ったが、与える駆動電流のパターンにより、浮上制御を安定に保ったまま二次元平面内を任意の軌跡で円滑に駆動できることが確認された。実験で試験できなかった二次元の位置検知方式に関しては、ビジュアルサーボ技術の応用可能性を理論的に検討した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 劉 江桁, 古関 隆章, 乾 成里, 大平庸一: "4極3自由度浮上磁石の二次元駆動への応用"第14回電磁力関連のダイナミツクスシンポジウム. 389-392 (2002)
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[Publications] T.Koseki, K.Yamashita, J.H.Liu: "Levitation and Thrust Control of a Completely Passive Core Excited Solely by Armature Currents of a Linear Synchronous Motor"The Eighth International Symposium on Magnetic Bearings. 247-252 (2002)
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[Publications] Jiangheng LIU, Takafumi KOSEKI: "4-Poles 3 Degrees of Freedom Magnetic Levitation Control and its Coordination with Two-Dimensional Linear Motor"The 17th International Conference on Magnetically Levitated Systems and Linear Drives. PP07107(6) (2002)
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[Publications] 劉江桁, 古関隆章, 乾成里, 大平庸一: "4極3自由度浮上制御電磁石を界磁とする二次元LSM駆動実験"電気学会リニアドライブ研究会資料. LD-02-83 19-LD-02-83 24 (2002)