2000 Fiscal Year Annual Research Report
速度・磁束オブザーバによる誘導機速度センサレスベクトル制御の低速運転に関する研究
Project/Area Number |
12650288
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
篠原 勝次 鹿児島大学, 工学部, 教授 (80112358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 吉朗 鹿児島大学, 工学部, 助手 (70220457)
飯盛 憲一 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (00284901)
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Keywords | 速度センサレス / ベクトル制御 / 誘導機 / 低速運転 / 速度・磁束オブザーバ |
Research Abstract |
(1)一次電圧検出誤差が零速運転特性に及ぼす影響について 誘導電動機の速度センサレスベクトル制御では誘導機の基本方程式から導かれる数式モデルを用いて二次磁束の推定を行うため、正確な一次電圧、一次電流の検出、電動機定数の設定が必要である。特に一次周波数が零付近となる極低速領域では、誘起電圧が小さくなるので、一次電圧の検出誤差や、数式モデルにおける一次抵抗の変化の影響で安定な運転が困難な状況にある。 そこで今回、一次電圧検出誤差が系の動作に及ぼす影響を回路方式の観点から調べるため、この検出誤差を考慮した状態で、回転子速度を+20rpm→-20rpm→+20rpmとランプ状の変化させた場合の回転子速度と一次周波数の変化状況を調べた。その結果、トルク成分電流帰還方式の方がMRAS方式に比較して一次電圧検出誤差の影響を受けないことが明らかになった。これは、MRAS方式では二次磁束の演算に積分器を含んでいるためであることが分かった。 (2)スロット高調波電圧検出による低速運転性能向上について 誘導電動機は回転子スロットの影響で固定子の歯の部分に巻かれたサーチコイルに回転子スロット高調波電圧を発生する。回転スロット数をNr、回転子の回転周波数をfrとすると、周波数fの空隙磁束はNr・frの周波数で変調されるのでこの高調波の周波数成分はNr・fr±fとなる。この高調波成分を利用することにより、1回転当たり、ほぼ回転子スロットに比例したパルスを得ることが出来る。今回、このパルスの検出方法を明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takashi NAGANO: "Stability Analysis of Vector Control of Induction Motor without Speed Sensor Taking Core Loss into Account"ICEE2K Proceedings. 175-178 (2000)
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[Publications] 逆瀬川栄一: "誘導電動機速度センサレスベクトル制御素の零速運転時の特性"平成12年度電気関係学会九州支部連合大会講演論文集. 129 (2000)
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[Publications] Kazuhiro OHYAMA: "Small-Signal Stability Analysis of Vector Control System of Induction Motor without Speed Sensor Using Synchronous Current Regulator"IEEE Transactions on Industry Applications. 36・6. 1669-1675 (2000)
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[Publications] Katsuji SHINOHARA: "Online Tuning Method of Stator and Rotor Resistances in Both Motoring and Regenerating Operations for Vector-Controlled Induction Machines"Electrical Engineering in Japan. 135・1. 56-63 (2001)