2001 Fiscal Year Annual Research Report
能動フィルタとインバータの組合せシステムを用いた電力系統の性能向上に関する研究
Project/Area Number |
12650291
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
多田隈 進 千葉工業大学, 工学部, 教授 (60275948)
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Keywords | 電力系統制御 / 能動フィルタ / 無効電力 / PWMインバータ / パワーエレクトロニクス / 電力変換 / 制御システム / 高調波 |
Research Abstract |
この研究は、電力系統および産業用電力変換の分野にパワーエレクトロニクス技術を取り入れ、不特定多数の負荷によって発生する電圧変動や高調波を抑制するための無効電力補償装置に関するものである。特に本研究においては、系統に直列に補償電圧を注入する直列補償方式と並列に無効電流を注入する並列補償方式について特性を解析し、また制御システム構成法について新しい提案を行う。さらに、直列補償と並列補償を組み合わせて構成される直並列補償システム(UPFC : Unified Power Flow Controller)の実現に向けた基礎的検討を実施する。 平成12年度の継続研究を実施し、本年度は次の三つの成果を得た。 第1の成果は直列に電圧を印加した直列補償方式の改良であり、制御システムを系統電圧と電流の位相が一致するように構成することにより制御系の簡素化を実施した。 第2のの特筆すべき成果は、系統側に電圧・電流に不平衡が発生したとき平衡化する制御法に関するもので、並列補償を用いて電源側の不平衡を、直列補償を用いて負荷側の不平衡を平衡化する手法を検討し、その特性をシミュレーションと実験により検証した。 第3の成果は直列補償に応用するためのインバータの改良を行ったことである。 以上のような研究を行い、国内外の学会に於いて発表した。 2年間の研究により、直列補償および並列補償の特性を明らかにし制御方法に改良を加えた結果、系統電圧の安定化と高調波の抑制に極めて有効であることを検証することができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 宮田吉伸, 山口 務, アクダ・アルペル, 多田隈 進: "直列補償器における負荷電圧の平衡化に関する検討"電気学会全国大会. 4-170(3月21日発表). (2001)
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[Publications] D.A.Akdag, S.Tadakuma: "A Series VSJ Based Voltage Sag Correcting Device with Additional Var Compensation for Sensitive Loads"電気学会論文誌B. 121-B. 643-651 (2001)
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[Publications] D.A.Akdag, S.Tadakuma: "Simple Control of a Series Var Compensator Based on Current Tracking Princiole"IEEE Power Electronics Specialists Conference. 2.16(6月19日発表). (2001)
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[Publications] 宮田 吉伸, 曽根 啓介, 多田隈 進: "自励式位相調整器による負荷電圧、系統電流の平衡化"電気学会産業応用部門全国大会. No.94. 429-430 (2001)
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[Publications] L.Ben-Brahim, S.Tadakuma: "A New PWM Control for GTO Minimum On-Pulse Compensation"IEEE IAS Annual Meeting, 2001. (10月2日発表). (2001)
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[Publications] 曽根 啓介, 宮田 吉伸, 多田隈進: "自励式SVCによる系統電流の平衡化に関する検討-固定座標系と回転座標系の比較-"電気学会全国大会. 4-153(3月27日発表). (2002)