2000 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギーリサイクルを考慮したモーションコントロール
Project/Area Number |
12650292
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大西 公平 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80137984)
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Keywords | エネルギーリサイクル / モーションコントロール / 結合 / 可到達行列 / エネルギーフロー / 干渉キネマティクス / インバータ / パワーコンバータ |
Research Abstract |
日本で産業用に用いられるエネルギー量は非常に大きく、今後更に徹底した省エネルギー化が望まれる。また、地球環境問題からもエネルギーの効率的使用が強く要請されている。本研究は、最新の計算機網制御を多数のモーションコントロール群に適用して相互の電力変換収支の協調をとることでエネルギーリサイクルを図り、全体としてのエネルギー効率を引き上げようという目的を持つものである。本年度の研究成果をまとめると次のようになろう。 まず、直流母線共通型パワーエレクトロニクス機器群のエネルギーリサイクルを行うための機器群結合を干渉キネマティクスという形で解析することに成功した。干渉キネマティクスはインバータ(あるいは電気機械)の回路結合を表すもので、ブール演算に従う行列で表示できる。この干渉キネマティクスを用いて、望ましいエネルギーフロー(これは可到達行列で表現される)を与えるインバータの結合解を求める設計問題が本年度の研究の中心課題である。研究の結果、この設計問題は可到達行列を結合行列のように扱うことで、簡単に数学的な解が得られることがわかり、機器結合に関する基本設計式を得ることが出来た。このようにして、モーションコントロール群でエネルギー変換を司るパワーコンバータ機器の直流母線を共通化して、エネルギーを効率的に使用するエネルギーリサイクル方法論の基礎が得られた。すなわちモーションコントロール機器群で力行と回生のモードでそれぞれ運転しているインバータ間の協調をとりエネルギーリサイクルを行い 全系のエネルギー効率が改善される可能性を示すことができた。
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Research Products
(1 results)