2000 Fiscal Year Annual Research Report
電子ビーム励起プラズマイオンプレーテイング法による高機能超伝導トンネル接合の作製
Project/Area Number |
12650316
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
諸橋 信一 山口大学, 工学部, 助教授 (20304488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 卓 国立天文台, 野辺山宇宙電波観測所, 助教授 (90237826)
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Keywords | 超伝導トンネル接合 / 超高真空電子ビーム蒸着 / 超伝導Nb薄膜 / AlOxトンネルバリア / SiO_2層間絶縁膜 |
Research Abstract |
ミリ波,サブミリ波及びX線領域の電磁波を高感度・高分解能で検出できる量子型検出器の実現にむけて,高品質・高機能な超伝導トンネル接合を作製することが,本研究の目的である。 今年度は以下の項目について研究を進めた。 ・10-9Paの超高真空電子ビーム蒸着による超伝導NbとTa薄膜及び,オーバーレイアAl層作製について検討した。その結果,堆積速度が非常に遅いにも係わらず,Nbはバルクと同じ超伝導転移温度Tc=9.25Kが得られた。また,Al薄膜も残留抵抗率の小さな高品質な膜形成条件が得られた。 ・これらの検討をもとに,Nb/AlOx-Al/Nb接合の作製を行った。ギャップ構造,超伝導臨界電流ともに有するジョセフソン効果が素子特性上,観測されたが,サブギャップリーク電流の低減に関しては更なる検討が必要である。 ・デバイスとして考えたとき,素子分離のためにSiO2層間絶縁膜の堆積は必要不可欠である。高速・低温スパッタが可能な対向ターゲット式スパッタによる絶縁膜形成について検討し,ダメージがなく緻密な薄膜形成条件を見いだした。 ・更なる高性能化を目指して,Nb及びTa薄膜の単結晶化についても検討をおこなった。本科研費で購入した基板加熱ヒーターを装置にとりつけ,実験を行った。その結果,RHEED回折および電気的評価から,多結晶Nb及びTa薄膜に比べて,膜の表面平滑性,超伝導特性も優れた高品質な単結晶化薄膜が形成できた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shin'ichi Morohashi: "Characteristics of Superconducting Nb Layer Fabricated Using High-vacuum Electron Beam Evaporation"Jpn.J.Appl.Phys. 40. 576-579 (2001)
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[Publications] Shin'ichi Morohashi: "Fabrication of a Tantalum-based Josephson Junction for an X-ray Detector"Jpn.J.Appl.Phys. 39. 3371-3377 (2000)