2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650321
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
永田 勇二郎 青山学院大学, 理工学部, 教授 (90146308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
屋代 真吾 青山学院大学, 理工学部, 助手 (80327288)
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Keywords | 硬質磁性材料 / SmFe_7 / 単結晶 / 磁気異方性 / Sm_6Fe_<23> |
Research Abstract |
平成13年度は、主に応用的な観点からSmFe_7多結晶が存在する相の決定に多くの時間を費やした。SmFe_7が安定に存在することは単結晶の研究により明らかにしたが、この物質の多結晶が合成された例は未だない。これはSm-Fe系の相図が複雑であることに起因している。そこで、SmFe_7が存在する組成、温度領域を明確にするために、多結晶の合成を試みたが、多結晶の作成は、冷却過程で数種の相が析出、混入し、単結晶の合成以上に困難であり、未だ相の同定はできていない。しかしながら、本年度の研究によって、SmFe_7相の存在領域が極めて狭く、相の確定のためには1000℃の温度領域で数℃の制御が必要であることが明らかとなっている。この点を考慮して次年度の研究を進め、SmFc_7相の存在する領域を確定したい。 また、本年度はとくに単結晶の磁気異方性を評価するために、室温から12Kの低温まで測定可能な磁気トルク測定装置を整備した。単結晶を用いた磁気異方性の制御の研究は次年度に予定しているが、本年度は次年度のSmFe_7の窒化の研究に備えSmFe_7単結晶の作成を数多く試みた。窒素は他の化合物で観られるように、格子間に侵入し、いわゆる侵入形化合物となるが、このような侵入形化合物では、結晶内部の窒素量の制御は簡単ではない。そこで、FeのAlなどの他の元素による置換、Smの他の希土類による置換も視野に入れ、異方性の制御を試みる予定であるが、既にAlによる置換に関しては、SmFe_7ばかりでなく、SmFe_2、SmFe_3、Sm_6Fe_<23>などにおいてAl置換を試み、単結晶の静磁気測定と上記のトルク測定装置を用いた磁気異方性測定を行い、Alの基礎磁気定数に及ぼす影響を調べた。この結果は2002年7月に行われるRare Eartk Research Conference (California)で発表の予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Samata, T.Uchida, Y.Shimizu, S.Sato S.M.Yashiro, Y.Nagata: "Magnetic properties of Sm_6Fe_<23> crystal"Journal of Alloys and Compounds. 322. 37-41 (2001)
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[Publications] H.Samata, K.Sakamoto, S.Yashiro, Y.Nagata: "Crystal growth of rare earth-iron intermetallic compounds by the flux-creep-up method"Journal of Crystal Growth. 237. 482-486 (2001)
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[Publications] Y.Nagata, S.Yashiro, T.Mitsuhashi, A.Koriyama, Y.Kawashima, H.Samata: "Magnetic properties of RFe_<1-x>Mn_xO_3(R=Pr, Gd, Dy)"Journal of Magnetism and Magnetic Materials. 237. 250-260 (2001)
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[Publications] Y.Nagata, T.Shioga, T.Taniguchi, T.Uchida, L.Zhang, M.D.Lan, H.Samata: "Superconductivity and magnetism of Sm_<1.85-x>Gd_xCe_<0.15>CuO_<4-δ> and Gd_<2-y>Ce_yCuO_<4-δ> crystals"Physical Review B. 65. 104561-1-104506-12 (2002)
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[Publications] H.Samata, S.Abe, T.Taniguchi, Y.Nagata: "Magnetic Properties of Mn_<1-x>M_xBe_2 (M=Co, Ni, Cu) and MnBe_<2-x>M_x (M=Cu, B, Al)"Journal of Alloys and Compounds. (掲載予定). (2002)