2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650340
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山田 実 金沢大学, 工学部, 教授 (80110609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑村 有司 金沢大学, 工学部, 講師 (10195612)
JAMSHID Nayyer 金沢大学, 工学部, 助教授 (50313698)
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Keywords | 一方向性光増幅 / 光増幅器 / 電子ビーム / 自由電子レーザ / チェレンコフ・メーザ / 非可逆素子 |
Research Abstract |
光領域において、信号の伝搬方向に対し非可逆に増幅する能動素子、つまり一方向性光増幅素子は存在していない。本研究は、真空中に放射された電子ビームを用い、一方向性の光増幅器を実現しようとするものである。 誘電体導波路を伝搬する光は、導波路の屈折率の為、自由空間での光速より遅くなる。また、光は誘電体導波路から外界に一部を染み出して走行する。電子ビームを誘電体導波路の表面に沿って伝搬させ、電子ビームの速度を導波路中を伝搬する光の速度に一致させると、染み出している部分を通じて、電子ビームのエネルギーが光に移り、光が増幅される。逆方向へ伝搬する光は、電子ビームと速度が大きく異なるので、増幅されない。なお、光が増幅されるためには、電子ビームの走行方向に光の電界成分がなければならず、TM波だけが増幅される。以上が、提案している一方向性光増幅器の動作原理である。 昨年度までは、特別設計の真空チャンバーに、RHEED用電子銃を取り付け、View Port付近に設置した誘電体光導波路の表面に沿って電子ビームを走行させた。導波路からの発光が観測されたが、偏波面依存性が無く、基板材料からの発光であろうと判断された。理論予測と比較すると、電子ビームの収束性が悪く、電流密度が低すぎ事が判った。 そこで、本年度は、当該研究費で特別設計の電子レンズを購入し、電子銃と誘電体導波路の間に挿入した。電子ビームが前年の1/300程度に収束され、導波路から強力な発光が観測された。光は、導波路の端面から出射しており、基板材料からの発光だけでなく、何からの導波作用と増幅作用が存在していることを意味している。また、TM波とTE波の強度差から、利得定数を見積もると、理論計算に近い分散関係を示している。しかし、電圧依存性などが不明であり、またTE波成分が強すぎるなどの疑念が残っている。現在、最大の問題は、現象が不安定であり、詳細な測定が出来ないことであり、動作の安定化を試みている。
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[Publications] Jamshid Nayyer: "Dynamic Characteristics of Optical Intersecting-Waveguide Modulators/Switches with Cureverd Electrodex"J. of Lightwave Technlogy. Vol.18,No.5. 693-699 (2000)
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[Publications] 山田実: "光エレクトロニクス"森北出版(出版予定). (2001)