2000 Fiscal Year Annual Research Report
ウェーブレット解析に基づく圧縮動画像データ伝送LANシステムの構築
Project/Area Number |
12650370
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
森田 啓義 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (80166420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 秀二 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助手 (10282922)
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Keywords | fBm モデル / MPEG2 / リアルタイム伝送 / フレーム同期 / Hurst パラメータ / partial prefix / 伝送レートの平滑化 |
Research Abstract |
本年度は以下に示す研究成果をえた。 1.MPEG2動画像伝送における伝送レートの平滑化 MPEG2圧縮動画像データをTCP/IPネットワークを介してサーバからクライアントへ伝送する場合に、画面ごとの大きさの著しい変動に起因したデータの輻輳、遅延を引き起こさないことを目的として、伝送レートの動的な平滑化を行った。すでにSalehiらによって動的な伝送レートの平滑化のアルゴリズムが提案されているが、今回、圧縮動画像データの長期依存性に着目して、アルゴリズムの簡便化を行った。その結果、バッファサイズを2Mバイトに設定した場合、従来法にくらべ、伝送レートのピーク値、分散は同程度の値のもとで、計算処理時間を1/1000程度に削減することを明らかにした。 2.MPEG2データモデルの解析 MPEG2データの確率モデルであるフラクショナル・ブラウン運動(fBm)を特徴づけるHurstパラメータの推定量に対し、推定量の分散の漸近挙動を評価した。主な結果は、観測データ長をTとすると、真のHurstパラメータHの値が1/2<H【less than or equal】3/4のとき、分散の値はO(T^<2(II-1)>)、また、3/4【less than or equal】H<1のとき、O(T^<-1/2>)となることである。詳細は、電気通信大学情報システム学研究科テクニカルレポート(UEC-IS-2001-1)にまとめ、さらに現在、論文投稿を準備中である。 3.フレーム同期誤りのための符号化 MPEG2では、各層の先頭に特定のコードが語頭として埋め込むことによって、データの同期をとっている。本研究では、従来のコードを分散した語頭(partial prefix)に拡張することによって、符号化レートが増加することを明らかにし、具体的な符号化・復号化手順を与えた。
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Research Products
(1 results)