2002 Fiscal Year Annual Research Report
ウェーブレット解析に基づく圧縮動画像データ伝送LANシステムの構築
Project/Area Number |
12650370
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
森田 啓義 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (80166420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 秀二 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助手 (10282922)
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Keywords | fBm / MPEG2 / 動画像伝送 / Hurstパラメータ / Wavelet |
Research Abstract |
前年度までの研究成果から,最大値と標本分散の両方を最小にするという意味で最適な平滑化算法によって計算された伝送レートがフラクショナルブラウン運動(fBm)としてモデル化できることが明らかになっている.この結果に基づき,fBmを特徴付けるHurstパラメータの推定法についてウェーブレット解析の立場から考察した. 従来,Abryらによる推定法では,fBmをウェーブレット変換して得られたウェーブレット係数の分散がHurstパラメータの指数関数として与えられることを利用している.すなわち,1)まず対象とする時系列データから複数のスケールパラメータに対するウェーブレット係数を算出し,2)つぎに,各スケールパラメータに対して,ウェーブレット係数のサンプル分散を求め,3)最後にそれらの値の対数値に対して求められた最小二乗近似直線の傾きからHurstパラメータを算出する,という方式がとられていた. より正確な推定を行うためには,できるだけスケールパラメータの上限を大きくすることが望ましいが,反面,データ長は有限であるために,スケールパラメータが大きくなるとサンプル分散のばらつきが増加し,結果的に,精度よくHurstパラメータの値を推定することは難しくなる.これまで,スケールパラメータの上限値をどのように定めればよいかについては実験者の経験に委ねられていた. 本研究では,中心極限定理の極限分散を最小にするという意味で最適なスケールパラメータの上限値を定めるための理論を新たに築き上げ,その数値的な検証を行なった.これによって,Abryらの推定法において用いるべきスケールパラメータの上限値は4か5で最適になることを明らかにした.
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Research Products
(1 results)