2000 Fiscal Year Annual Research Report
QoS非保証ネットワークにおける同期精度制御可能なメディア同期方式の研究
Project/Area Number |
12650378
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
田坂 修二 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (80110261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩川 茂樹 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (30303689)
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Keywords | メディア同期 / QoS / 再送制御 / ライブメディア / インターネット / マルチキャスト / パケットスケジューリング / WFQ |
Research Abstract |
本年度は、まず、個別の研究題目に着手する前に、メディア同期技術の基礎概念を明確化するとともに、要素技術の調査と分類整理を行った.これらの成果は、それぞれ、電子情報通信学会誌とIEEE LCN2000で発表されている. 個別題目としては、最初に、ライブメディアまたは蓄積メディアを対象に、4種類のメディア同期外れ回復制御技術(反応制御技術)を取り上げ、それらの組み合わせによる9方式のメディア同期品質の主観及び客観評価を行った.そして、各技術の特徴を明らかにした.予防制御技術についても同様の検討を行った. 次に、ライブメディアの実時間性を保証し且つ高いメディア同期精度を達成する再送制御方式RVTRを提案した.すなわち、筆者らが以前に提案したVTRアルゴリズムを、データ欠落があり再送により回復する状況に対処できるように拡張した.屋内実験網を構築し、ネットワーク負荷とエンドツーエンドの伝搬遅延を変化させた多様な環境のもとで、RVTRのメディア同期品質を測定した.そして、RVTRの有効性を確認するとともに、その有効適用領域を明らかにした. 続いて、RVTRをマルチキャスト通信に拡張し,NACKの返送方法や再送ストリームのためのマルチキャストグループへの参加・離脱方式について検討した.そして、実験によりこれらの方式の有効性を示した. また、ライブ及び蓄積メディアを同時に転送する場合のメディア同期方式を提案した.1対1通信の場合、1対多のマルチキャスト転送の場合、マルチキャスト転送において蓄積メディアに対してインタラクティブな制御(早送りや巻戻し等の特殊再生)を行う場合の3通りの実験を行った.そして、いずれの場合も提案方式が有効に動作することを確認した. 更に、インターネットでのルータにおける4種類のパケットスケジューリングアルゴリズムがライブ音声・ビデオのメディア同期品質に及ぼす影響を実験により定量的に明らかにした.特に、WFQが連続メディアに対しても、最も有効なアルゴリズムであることを示した.
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Research Products
(17 results)
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[Publications] 田坂修二: "ネットワーク環境におけるメディア同期"電子情報通信学会誌. 84・3. 177-183 (2001)
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[Publications] Yutaka Ishibashi: "A Comparative Survey of Synchronization Algorithms for Continuous Media in Network Environments"Proceedings of IEEE LCN 2000. 337-348 (2000)
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[Publications] 小川弘毅: "メディア同期外れ回復制御方式のメディア同期品質比較"電子情報通信学会技術研究報告(CQ2000-12). 100・93. 71-76 (2000)
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[Publications] Shuji Tasaka: "Live Media Synchronization Quality of a Retransmission-Based Error Recovery Scheme"Conference Record of IEEE ICC 2000. 1535-1541 (2000)
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[Publications] 伊藤健二: "連続メディア再送制御方式RVTRのマルチキャスト通信への拡張"電子情報通信学会技術研究報告(SSE2000-12). 100・15. 25-30 (2000)
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[Publications] Yutaka Ishibashi: "Joint Synchronization between Live and Stored Media in Network Environments"Proceedings of IEEE ICCCN 2000. 442-446 (2000)
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[Publications] Yutaka Ishibashi: "Joint Synchronization between Live and Stored Media in Multicast Communications"Proceedings of IEEE LCN 2000. 330-336 (2000)
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[Publications] 宮本紘政: "マルチキャスト通信におけるインタラクティブな制御を伴う蓄積メディア及びライブメディア間同期実験"電子情報通信学会技術研究報告(CQ2000-32). 100・176. 55-60 (2000)
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[Publications] 伊藤健二: "種々のパケットスケジューリングによる連続メディア転送の品質測定"電子情報通信学会技術研究報告(CQ2000-66). 100・458. 55-60 (2000)
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[Publications] 小川弘毅: "メディア同期外れ回復制御方式の蓄積メディア同期品質の主観評価"2000年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会講演論文集2. B-11-2 (2000)
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[Publications] 伊藤健二: "マルチキャスト通信連続メディア再送制御における再送スケーリング方式の提案"2000年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会講演論文集2. B-11-11 (2000)
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[Publications] 竹尾淳: "MPEGビデオ・音声転送への再送制御方式RVTR及びトラヒック制御の適用"2000年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会講演論文集2. B-11-12 (2000)
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[Publications] 宮本紘政: "ライブ及び蓄積メディア同時伝送時のメディア同期方式へのビデオトラヒック制御の適用"2000年電子情報通信学会通信ソサイエテイ大会講演論文集2. B-11-3 (2000)
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[Publications] 宮本紘政: "分散マルチメディアアプリケーションのための因果順序及びメディア同期制御:分散制御方式"2001年電子情報報通信学会総合大会講演論文集 通信2. B-11-17 (2001)
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[Publications] 伊藤健二: "複数ノードのパケットスケジューリングがメディア同期品質に及ぼす影響"2001年電子情報通信学会総合大会講演論文集 通信2. B-11-18 (2001)
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[Publications] 竹尾淳: "FECを用いたライブ音声・ビデオ伝送のメディア同期品質"2001年電子情報通信学会総合大会講演論文集 通信2. B-11-19 (2001)
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[Publications] 小川弘毅: "ライブメディア同期外れ予防制御方式の性能比較"2001年電子情報通信学会総合大会講演論文集 通信2. B-11-20 (2001)