2000 Fiscal Year Annual Research Report
標本化格子の位相変調に基づく電子透かし手法の開発と静止画像への応用に関する研究
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12650405
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Research Institution | Hiroshima Kokusai Gakuin University |
Principal Investigator |
南 憲明 広島国際学院大学, 現代社会学部, 助教授 (60320024)
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Keywords | 画像 / 情報埋め込み / 位相変調 / 標本化格子 / 電子透かし |
Research Abstract |
符号化信号処理手法について,静止画符号化(JPEG)に対する耐性を通して,復号誤り率の観点から検討を行った.その結果,スプライン補間および帯域制限補間による符号化処理は,その処理量は増加するものの,双1次補間による処理よりも付加情報の復号誤り率を小さくできることを明らかにした.たとえば,標準画像"Zelda"の場合,JPEG圧縮比3.6,位相シフト量a=0.1において復号誤り率を双1次補間の場合の約1/5にまで低減できることを示した. 付加情報の復号に際し原画像を基準として必要とする特徴をさらに積極的に活かし,符号化画像の復号誤り率を減少させる方法を提案した.本方法では,付加情報復号の際の基準画像として,圧縮符号化処理を行った後の加工画像を原画像の代わりに使用する事によって,復号誤り率を減少させるだけでなく埋め込み可能な付加情報量を増加させた. シミュレーション結果によれば,例えばテストチャート"Zelda"において,JPEG圧縮比を約17としても約1,000ビットの情報を全く誤りなく埋め込むことが可能で,しかも付加情報埋め込みに伴うSN比の劣化は,0.1dB以内におさまった. 結託攻撃の回避方法について検討を行った.検討対象は,正当な利用権利を有する複数のユーザが結託して各ユーザがそれぞれの画像データを持ち寄り,対応する画像毎に画素値を算術平均し,新しい画像データを作成することで埋め込み情報を無効にするという,最も簡易かつ基本的な結託攻撃を受ける場合である. まず,結託攻撃後得られる合成位相のシフト量について考察を行い,合成位相シフト量から合成前の位相シフト量が推定できる条件を求めた.このような条件の下でウォルシュ関数を付加情報として埋め込み,位相復調後の出力を改めてアダマール変換することにより,結託した複数の違反者をいずれも特定出来ることを明らかにした.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 南憲明,山田芳郎,田崎三郎: "結託攻撃の参加者を特定可能とする情報埋め込み法"画像電子学会誌. 30・1. 2-10 (2001)
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[Publications] 南憲明,山田芳郎,田崎三郎: "位相変調に基づく情報埋め込みにおける符号化信号処理に関する考察"映像情報メディア学会誌. 54・8. 1219-1222 (2000)
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[Publications] 南憲明,山田芳郎,田崎三郎: "静止画像を対象とする位相変調に基づくデータ埋め込み手法の改良"画像電子学会誌. 29・3. 214-221 (2000)
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[Publications] 南憲明,山田芳郎,田崎三郎: "位相変調に基づく電子透かしシステムにおける結託ユーザの識別"画像符号化シンポジウム(PCSJ2000). 61-62 (2000)