2001 Fiscal Year Annual Research Report
階層的サービス機能を有する公共交通管理システムの開発
Project/Area Number |
12650410
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
内村 圭一 熊本大学, 工学部, 教授 (20113409)
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Keywords | ITS / Dial-a-Ride / 公共交通の支援 / 遺伝的アルゴリズム / 最適化 |
Research Abstract |
本年度は,階層的に構成されたバスサービスの最下層のシステムであるDial-a-Ride問題でのリアルタイム処理法の開発を行った。実際にDial-a-Ride方式を新公共交通運行管理システムに適用する場合には,1日を通して続々と発生する乗車依頼に対応して,どの時点からどの時点までの乗降車要求について取り扱い,どの時点で車両は発車すべきなのかということについて,乗車依頼の受付,車両の発車司令を円滑にリアルタイムに処理する必要がある。Dial-a-Ride方式のバスシステムを最適化するにあたり,車両の定員や乗客の移動所要時間が制限される場合,一定間隔毎に発車させると車両が1台では不足する事態が考えられることから,発車間隔を不定期に変動させることで対応する手法(不定期発車手法)を提案し,リアルタイム処理系に実装した。その際の巡回経路探索には遺伝的アルゴリズムを採用し,車両の乗車効率を上げる適応度について検討した。また,発車間隔は一定のまま,一度に複数台の車両を発車させることにより先述の車両不足を解消する方法を既に提案しているので,この手法をリアルタイム処理系に実装し,不定期発車手法と比較した。 シミュレーション結果により,不定期発車手法の優位性を示した。また,不定期発車手法をリアルタイム処理系に実装した結果は,リアルタイムに充分対応していた。しかしながら,乗客数が最大の15名のときには約5.0秒の計算時間を要するので,更なる計算時間の短縮が必要である。車両の発車条件として定員オーバと所要時間制限のオーバを用いたが,実際のシュミレーションでは,ほとんどの場合に所要時間制限をオーバしたために,車両の発車処理が行われた。これは,乗車依頼の状況や,システムを適用するコミュニティーの広さなどに関係するであろうと思われるので,それらについて検討を行う必要がある。
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[Publications] 内村圭一, 若林竜太, 境 周平: "Dial-a-Ride問題におけるリアルタイム乗客輸送"システム制御情報学会論文誌. 15・8(印刷中). (2002)
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[Publications] 境 周平, 内村圭一: "Dial-a-Rideシステムに用いる最短路計算の高速化"電気学会道路交通研究会資料. RTA-01-34. 27-32 (2001)
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[Publications] 前田竜士, 境 周平, 内村圭一: "複数台のバスによるデマンドバスシステムの最適化"情報処理学会九州支部研究会報告. (発表予定). (2002)
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[Publications] 境 周平, 内村圭一: "リアルタイムDial-a-Rideシステムの構築"情報処理学会全国大会講演論文集. 5T-03(印刷中). (2002)
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[Publications] 西田憲一郎, 内村圭一: "道路状況を反映したDial-a-Rideシステム"電子情報通信学会総合大会講演論文集. (発表予定). (2002)
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[Publications] 西田憲一郎, 濱本康光, 内村圭一: "途中乗車を考慮したDial-a-Rideシステム"電気関係学会九州支部連合大会講演論文集. 706 (2001)