2000 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス刺激に反応する情動ニューラルネットを用いた自律移動ロボットの行動制御
Project/Area Number |
12650411
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
金城 寛 琉球大学, 工学部, 助教授 (50211206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中園 邦彦 琉球大学, 工学部, 助手 (80284959)
山本 哲彦 琉球大学, 工学部, 教授 (20045008)
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Keywords | ニューラルネット / 情動情報処理 / 自律適応システム / 移動ロボット / 行動制御 / スパイキングニューラルネット |
Research Abstract |
人間など生物の行動は、喜び、安堵、怒り、恐怖、などに大きく左右されることが知られている。これらの情動は、生物の脳の機能として最も重要な役割を果たしており、心理学のみならず、工学、医学・生理学にも注目されている機能である。本研究では、これら情動の機能を有する人口ニューラルネットを構築し、それを制御系、とくに自律移動ロボットへ適用するものである。 これまでは情動を単純に「快」と「不快」とに分類したニューラルネットの特性について調べてきた。しかし、今年度および次年度では情動をさらに細分化し、「喜び」、「安堵」、「怒り」、「恐怖」のそれぞれについて発火するニューロンを考えている。本課題で扱う情動ニューラルネットは、生物の中でも特に高度な感情的処理機能を有する高等生物の脳を模擬した、人口的な「脳」のモデルになると考えることができる。今年度、多くの国内および国際会議へ出席し、人口ニューラルネットおよび、制御理論についての資料収集を行なった。さらに、関係学会の発行する研究会資料を購入し、従来の研究と本課題の研究との関連について調査・検討を行なった。今後は、これらの調査研究を基に、情動ニューラルネットをロボット制御へ適用する予定である。 また、本研究の発展として、最近注目を浴びているスパイキングニューラルネットとの関連が上げられる。これはパルス信号に基づき、ニューラルネットが情報処理を行ない、ネットワークの出力をパルス信号で出すものである。ロボットの外部環境からパルス刺激を受け取り、スパイキングニューラルネットで情動に基づく信号処理を行ない、外部にパルス刺激を出力し、ロボットの行動を制御する。本課題をこのような研究に発展させる予定である。
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