2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650419
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中本 高道 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20198261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 寛 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80293041)
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Keywords | ロボット / 半導体ガスセンサ / 水晶振動子ガスセンサ / ニューラルネットワーク / 過渡応答解析 |
Research Abstract |
嗅覚ロボットは、匂い・ガスの発生源位置を探索するロボットである。予備実験では安定で高感度な半導体ガスセンサをロボットに搭載したが、センサ応答の回復時間が長いため、ロボットの移動速度を下げ、応答の追従を待つ必要があった。本年度は、探知アルゴリズムの工夫と高速センサの採用により、探知の高速化を図った。前者に関しては、変化検出型アルゴリズムを提案した。このアルゴリズムは、ガスセンサ応答が完全に追従するのを待たず、応答が変化し始めた時点でロボットに適切な行動をとるよう素早く指示を出す。回復速度の遅い半導体ガスセンサでもロボットの移動速度を従来の5倍(平均14cm/s)まで上げることができ、2m離れたガス源(エタノール)の探知に要する時間も200秒から30秒に短縮された。 後者に関しては、水晶振動子ガスセンサの使用を検討した。前年度において応答・回復がともに高速であることは示したが、応答の安定性が劣るという問題点があった。この原因を検討した結果、湿度の微小な変化により水晶振動子センサの応答が変動していることが分かった。そこで、湿度センサをロボットに搭載し、水晶振動子ガスセンサの応答変動を補償しながらガス源を検出する基礎的実験を行った。20cm/sで移動中でもガス源から漂ってきた低濃度ガス(エタノール)を確実に検出できることが分かり、更なる高速化への見通しが得られた。 このようなセンサ・アルゴリズムの比較検討を効率よく行うためには、探知実験に代わる匂い源探知シミュレーションの方法を確立する必要がある。本年度は、ニューラルネットワークを用いてガスセンサの過渡応答モデルを構築した。光学トレーサにより得た実際の濃度変化と水晶振動子ガスセンサの応答の関係をニューラルネットワークに学習させたところ、ガス濃度変化に対する過渡応答をシミュレーションで再現できることが分かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 辻田, 中本, 石田, 森泉: "ガス濃度分布可視化装置を用いたQCMガスセンサの過渡応答解析に関する研究"電気学会研究会資料 ケミカルセンサ研究会. 13-17 (2001)
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[Publications] 中山, 石田, 中本, 森泉: "匂い・ガス源探知ロボットの高速化に関する研究"電気学会研究会資料ケミカルセンサ研究会. 37-42 (2001)
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[Publications] 中山, 石田, 中本, 森泉: "変化検出型アルゴリズムを用いた匂い・ガス源探知ロボットの行動特性"電気学会全国大会講演論文集. (発表予定).
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[Publications] 田中, 石田, 中本, 森泉: "匂い・ガス源探知ロボットの高速化に関する研究-QCMガスセンサのベースライン信号の安定化"電気学会全国大会講演論文集. (発表予定).
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[Publications] 辻田, 中本, 石田, 森泉: "ガス濃度分布計測システムの設計法に関する研究"電気学会全国大会講演論文集. (発表予定).
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[Publications] 辻田, 中本, 石田, 森泉: "ガス濃度分布可視化装置を用いたQCMガスセンサの過渡応答解析に関する研究"電気学会全国大会講演論文集. (発表予定).