2002 Fiscal Year Annual Research Report
モデル妥当性の検証法を基礎としたロバストオートチューニング制御系設計論の構築
Project/Area Number |
12650448
|
Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐伯 正美 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60144325)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 信敬 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50335709)
|
Keywords | 非反証制御 / PID制御 / 混合感度問題 / データ駆動の設計 / 入力飽和関数 / アンチワインドアップ / パラメータ平面設計 / 数式モデル無しの設計 |
Research Abstract |
モデルの妥当性を基礎としたロバストオートチューニング制御系を構築するための基礎研究として,非反証制御によるPID制御器の設計法と制御対象の非線形性を補償する制御器の設計法について,理論的側面から検討した.大きく2つに分けられる. 1.非反証制御による時間領域における制御器設計:モデルの妥当性の概念を利用した非反証制御に従い,プラントの入出力応答からPIDゲインの集合をパラメータ平面に表示する方法を再検討した.入力にステップ関数などひとつの信号を用いると反証される領域が設計に用いるには十分に広くないことが,前年度の研究で確認していた.そこで,今年度は,入力信号に多くの正弦波信号を用いる方法を検討したところ,必要十分な領域が得られることが線形時不変システムに適用して明らかになった.この方法をバックラッシュのある非線形系に適用したところ良好な応答が得られた.実験でデータを取得するには多くの周波数での加振実験を行う必要があり,適用できる対象は限られるが,この方法は数式モデルが不要であるので,非線形系も含めて混合感度の評価関数を満たすPIDゲインの存在性を判別できる.また,シミュレータで表された詳細モデルがある場合には,近似数式モデルを構築する必要がなく,新規性と有用性の高い方法と考える. 2.非線形性の影響を考慮した制御系設計:制御入力の飽和に対するアンチワインドアップ制御器の設計を線形システムとの誤差の評価関数を与え,従来の外乱抑制による方法や他の提案法と比較し,有効性を確認した.また,連結車輌の後退運転が単体車両の運動特性を有するように設計する非線形制御則を導出し,シミュレーションで有効性を確認した.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] M.Saeki: "A new adaptive method for identification of critical gain using saturation function"Asian Journal of Control. 4・4. 464-471 (2002)
-
[Publications] M.Saeki: "Path following control of articulated vehicle by backward driving"Proceedings of the 2002 IEEE International Conference on Control Applications. (CD-ROM). 421-426 (2002)
-
[Publications] M.Saeki: "Synthesis of a Static Anti-windup Compensator via Linear Matrix Inequalities"International Journal of Robust & Nonlinear Control. 12. 927-953 (2002)
-
[Publications] 和田: "L2性能基準に基づく静的Anti-windup補償器の設計"計測自動制御学会論文集. 38・6. 577-579 (2002)