2001 Fiscal Year Annual Research Report
高減衰ゴムの微視構造の観察とマイクロメカニクスに基づく構成則の構築
Project/Area Number |
12650457
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
奥井 義昭 埼玉大学, 工学部, 助教授 (40214051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 泰尚 埼玉大学, 工学部, 助手 (90322023)
山口 宏樹 埼玉大学, 工学部, 教授 (50134474)
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Keywords | 構成則 / 高減衰ゴム / 粘弾性 / 超弾性理論 |
Research Abstract |
本研究は天然ゴムおよび高減衰ゴムの速度依存型構成則に関するものである. 主な研究の対象としているゴムは,ビルディングや橋梁等の建設構造物において,上部構造物を支え,橋脚や基礎等の下部構造物へ力を伝達するゴム支承用のものである.このうち,高減衰ゴムは特に地震時の減衰性能を向上させることを目的として近年開発されたものである.そのため,高減衰ゴムの力学的挙動に関する公表されたデータは乏しく,またゴムに関する既往の構成則モデルではその挙動が十分再現することが難しいことが認識されている. まず,一般の天然ゴムと支承用の天然ゴムおよび高減衰ゴムについて微視構造の観察を行い,一般用の天然ゴムにはボイドが多数存在することから,ボイドの断面積を画像解析手法を用いて計測している.さらに,引張および圧縮荷重下における載荷速度を変化させた単調載荷試験,繰り返しリラクゼーション試験等を行い,構成則モデル構築のための基礎的データを得ている.また,載荷試験より分かった力学挙動と微視構造の関係を考察している. つぎに,超弾性モデルについて検討を行っている,具体的には高減衰ゴムではひずみが大きくない領域において比較的大きな初期剛性が発揮されるが,そのような挙動は既往のモデルではうまく表現できない.この点を改良するためにYamashitaらのモデルを改良したモデルを提案し,既往の超弾性モデルとの比較から提案モデルの有効性を示した. さらに,速度依存性のモデル化を行っている.一般化Maxwellモデルを,変形テンソルの多重分解法を用いて有限ひずみの場合に一般化し,速度依存型の構成関係を誘導している.このとき,Maxwellモデルに含まれる弾性部分は提案された超弾性モデル用いている.最後に構築されたモデルの基本的な挙動について数値シミュレーションを行い考察を加え,提案モデルの有効性を検証している.
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[Publications] A.Amin, M.Alam, Y.Okui: "An improved hyperelasticity relation in modeling viscoelasticity response of natural and high damping rubbers in compression: experiments,parameter identification and numerical verification"Mechanics of materials. 34. 75-95 (2002)
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[Publications] A.Amin, A.alam, Y.Okui: "Nonlinear viscoelastic response of elastomers: Experiments,parameter identification and numerical simulation"J.of Structural Engineering,JSCE. 47A. 181-192 (2001)