2000 Fiscal Year Annual Research Report
ライフサイクルコストを考慮したコンクリート構造物のメンテナンスシステムの研究
Project/Area Number |
12650462
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
関 博 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40120919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
スジョノ S・アグ 早稲田大学, 理工学部, 助手 (80318790)
チ 路寛 早稲田大学, 理工学部, 助手 (90308205)
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Keywords | ライフサイクル / 塩害 / 鉄筋腐食 |
Research Abstract |
コンクリート構造物は社会基盤を支える重要な施設であり、今後とも施設を適切に維持するための必要性は論を待たない。さらに、地球資源の有効利用や環境保護のためには、新設や既存の施設をできるだけすくないエネルギー消費により永く活用することが大切となる。 メンテンナンスを有効に実施するためには、構造物の時間軸を考慮した挙動を把握する必要があり、さらに、これらをもとにミニマムコストの要因を精査して適切な維持管理方策を採用する必要がある。今年度は、前者に関しては(1)コンクリートの特性を決定づけるセメントの硬化過程を取り上げ、(2)現実のコンクリート構造物での寿命推定の大きな一要因である中性化に関して検討を行なった。(1)についてはセメントを構成する鉱物の水和反応モデルを構築し、時間の経過による硬化過程を新たな算定法を提示して数値解析的・実験的に検討した。(2)では、中性化に関して実験及びモデル解析を実施して、性能限界の一つと考えられる中性化による鉄筋腐食とひび割れの発生に関して議論を進め、検討結果より所定のひび割れ幅に達する腐食量を提示することが出来た。後者のミニマムコストに関しては、RC桟橋の上部工を取り上げて塩害による鉄筋腐食による性能低下を対象とした。コストとしては、(初期建設費+維持管理費+破壊損失期待費用)を基本とし、補修工法として断面修復工法を取り上げ、ライフサイクルコストの算定フローを構築した。本フローに基づきコンクリートのかぶり、塩化物の浸透、腐食速度などのバラツキを考慮し、ミニマムコストとするための許容ひび割れ幅((2)の成果より、腐食量との関係を利用)と補修間隔との関係などを提示した。
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[Publications] チ路寛,関博: "乾湿繰返しを受ける鉄筋腐食に関する一考察"コンクリート工学年次論文集. Vol.22,No.1. 163-168 (2000)
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[Publications] QI,L.K.& Seki,H.: "Corrosion characteristic analysis of reinforcing bar due to neutralization of concrete"Proc. of 25^<th> Conference on Our World in Concrete & Structures. 523-529 (2000)
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[Publications] スジョノ,A.S.& Seki,H.: "異なるセメント粒子の凝集構造で作成したセメントペースト及びモルタルの諸性質について"コンクリート工学年次論文集. Vol.22,No.2. 739-744 (2000)
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[Publications] スジョノ,A.S.& Seki,H.: "Experimental & Analytical Studies on Oxygen Transport in Various Cementitious Materials"American Concrete Institute SP192-44. 721-738 (2000)