2000 Fiscal Year Annual Research Report
鋼構造物の耐震性能向上を目指した圧延変厚鋼板の活用法に関する研究
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12650474
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
奈良 敬 岐阜大学, 工学部, 教授 (50116076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 茂之 岐阜大学, 工学部, 講師 (60283719)
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Keywords | 圧延変厚鋼板 / テーパープレート / 鋼構造 / 鋼製橋脚 / 耐震 / 弾塑性 / 座屈 / 極限強度 |
Research Abstract |
本研究は、鋼製橋脚の耐震性能向上とその断面設計法の開発を目指し、圧延変厚鋼板の活用方法について検討するものである。このため、以下に示す一連の研究を系統的に遂行する。 1)圧延変厚鋼板および等厚板の極限強度評価法の統一 2)圧延変厚鋼板要素の繰り返し弾塑性挙動の解明 3)圧延変厚鋼板の使用を前提とした鋼製橋脚の弾塑性動的応答解析法の開発 4)圧延変厚鋼板を使用した鋼製橋脚の弾塑性解析と耐震性能の評価 5)圧延変厚鋼板を使用した鋼製橋脚弾塑性動的応答解析と耐震性能の評価 6)圧延変厚鋼板を使用した鋼製橋脚の断面設計法試案の提示 本年度の研究成果の概要は次の通りである。 1.圧延変厚鋼板の使用を前提とした鋼製橋脚の弾塑性動的応答解析法の開発 鋼製橋脚モデルの地震時動的応答挙動の数値解析を実行するために必要な解析プログラムを開発した。本解析プログラムは、等厚板を対象として、骨組要素と板要素の結合モデルならびに鋼材の繰り返し構成則を導入した鋼製橋脚の弾塑性解析法を、圧延変厚鋼板へと拡張したものである。 2.圧延変厚鋼板および等厚板の極限強度評価法の統一 研究代表者らが既に統計学的手法により明らかにしている、面内荷重を受ける等厚鋼板の極限強度評価法に基づき、圧延変厚鋼板を用いたフランジならびに腹板の極限強度評価法の試案を作成した。 3.圧延変厚鋼板要素の繰り返し弾塑性挙動の解明 導入した高性能ワークステーションを利用し、繰り返し荷重を受ける圧延変厚鋼板要素の弾塑性有限変位解析を実施し、鋼製橋脚の耐震性能の評価において重要となる、その鋼板の繰り返し弾塑性挙動を明らかにした。今後は、適切な活用法を見いだすパラメトリック解析を実施予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 奈良敬,村上茂之,小西隆史: "引張試験に基づく材料定数をパラメータとする鋼材の繰り返し構成則"第3回鋼構造物の非線形数値解析と耐震設計への応用に関するシンポジウム論文集. 第3巻. 105-112 (2000)
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[Publications] Murakami,S.,Nara,S.,Shimadu,Y.and Konishi,T.: "A Simplified Constitutive Model for Steel Material under Cyclic Loading Conditions"Proc.of the 7th International Symposium on Structural Failure and Plasticity,. Vol.7. 579-584 (2000)
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[Publications] 奈良敬,村上茂之,立木栄作,小西隆史: "補剛材の局部座屈を考慮した繰り返し軸方向力下の補剛板の変形能"鋼構造年次論文報告集. 第8巻. 41-48 (2000)