2001 Fiscal Year Annual Research Report
マルチファン型風洞による乱流境界層中の柱体の空力特性に関する実験的研究
Project/Area Number |
12650481
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
小園 茂平 宮崎大学, 工学部, 助教授 (10169302)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 勝哉 同志社大学, 工学部, 助教授 (40199063)
宮城 弘守 宮崎大学, 工学部, 助手 (90219741)
|
Keywords | マルチファン型風洞 / 大気境界層 / 動的乱流生成 / 応答特性 / 等方性 / ゲイン修正法 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は,境界層中にある橋梁のモデルである床面に平行に設置された柱体の空力特性を明らかにすることである.前年度は基本的な線形せん断流のせん断パラメータが柱体周り流れに及ぼす影響を調べた.本年度はより現実に近い乱流境界層を模擬生成する技法を確立する目的で実験を行なった.われわれが開発したマルチファン型風洞は多数のファンを駆動部入り口に一面に配列したものである.この風洞を駆動制御する方法で最も典型的な手法である「一様アクテイブ制御法」によって生成される乱れの特性を調べた.マルチファン型風洞ではそれぞれのファンを駆動非駆動どちらでも選択できる.このことを利用し,駆動ファンを格子状に配置し定常運転を行ない,せん断不安定により乱れを生成した.この乱れは通常,用いられる格子乱流に準じた流れになるものと思われるので一様アクティブ制御法により生成された乱れとの比較に用いた.得られた結果は次のようなものである. 1.応答特性は測定部の長さ,流速に依存する.測定部の長さは短いほど,流速は大きいほど応答特性は良い.普通の実験で採用される範囲内の有利な条件下(測定部D=4.4m, U_<tar>=10.0m/s)でもフラットな応答特性の範囲は次の制限がつく. f≦〜0.5,Hz この限界はゲィン修正法によりかなり改善されるが,入力信号の離散化(時間刻みΔt)に伴う次の制約を越えて改善されることはない. f≦1/(2Δt) 2.一様アクティブ制御法で生成された乱れは異方性u'/v'が著しく大きい.流れ方向の空間相関も測定部の全てにわたって大きい.一様アクティブ制御法によって生成される流れはある地点で低周波数のu成分の時間変動を忠実に再現するが,流れの一瞬間で空間構造を考えるとき,脈動成分が卓越した渦構造に乏しい流れと考えられる.したがって,'構造物に及ぼすバフェッティングの効果を調べる時などには妥当であるが,乱れと構造物後流の渦の相互干渉を知りたい時は,風洞気流に渦を供給する何らかの機構が必要である.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] S.Ozono: "Critical nature of the base pressure of the upstream circular cylinder in two staggered ones in cross-flow"Theoretical and Applied Mechanics. Vol.50. 335-340 (2001)
-
[Publications] Cao Shuyang: "An actively controlled wind tunnel and its applications to the reduction of the atmosopheric boundary layer"Boundary-Layer Meteorology. 101-1. 61-76 (2001)
-
[Publications] S.Ozono: "Vortex suppression of the cylinder wake by deflectors"Fifth Asia-Pacific Conference on Wind Engineering, kyoto, 2001. 221-224 (2001)
-
[Publications] 小園 茂平: "食い違いに配置された二円柱周り流れにおける背圧の臨界性"宮崎大学工学部紀要. No.30. 13-20 (2001)
-
[Publications] 小園 茂平: "T型格子を用いた遠方後流における渦再配列の差分解析"宮崎大学工学部紀要. No.30. 21-28 (2001)
-
[Publications] 小園 茂平: "干渉要素によって変位を受ける後流の渦特性"宮崎大学工学部紀要. No.30. 29-34 (2001)