2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650500
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
柴田 徹 福山大学, 工学部, 教授 (20027212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渦岡 良介 (特法)理化学研究所, 地震防災フロンティア・研究センター, 研究員
西原 晃 福山大学, 工学部, 助教授 (90164574)
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Keywords | 液状化 / 飽和砂 / 浸透流 / 体積膨張 / 粘性 / 側方流動 |
Research Abstract |
本研究は、地震などで液状化した後の飽和砂の力学挙動を解明するために、その物性を実験的に調べることと、実験結果に基づいて、側方流動現象を解析的に扱うことを目的としている。液状化砂の物性は、ここでは体積変化率と粘性係数を指す。以下に本年度に得られた主な成果を要約する。 1.物性研究に使用した実験試料は、豊浦砂、硅砂および川砂の3種類であり、川砂に比べて前二試料は均一な粒径である。円筒容器に充填した飽和砂に対して、下方から上方に向かって浸透水流を発生させ、流速を種々に変えたときの体積変化と間隙水圧を測定した。また同じ条件下で、回転粘度計により粘性係数を測定した。 2.流速を徐々に増加すると、Drcy則の成立範囲を越えた点(すなわち限界動水勾配)から体積膨張がはじまり、その際に体積膨張率と浸透流速の間には比例関係が成立することを見いだした(その比例定数をδ_fとする)。 3.限界動水勾配に達したときの浸透流速をV_cとすれば、(δ_f/V_c)比は豊浦砂と硅砂で等しく、川砂はそれよりも低い値となる。これは均等係数>1の砂では(δ_f/V_c)比が小さくなることを示している。 4.液状化砂の体積膨張と浸透流速の比例関係は、固体の融解現象にみられる体積膨張と温度の関係に類似している。そして限界浸透流速は、固体の融点に対応すると解釈できる。 5.液状化砂の粘性挙動は、単純な[Newton/Bingham]粘性で表現できず、ひずみ速度の増加とともに減少するような、複雑な構造粘性を示した。この特性を考慮した側方流動の解析プログラムの開発は、来年度以降に取り組む予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 柴田徹: "2000年鳥取県西部地震の液状化調査"福山大学 Hightech-reserch-Center紀要. 1巻.1号(発表予定). (2001)
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[Publications] 柴田徹: "地盤の液状化を追って-1964年新潟地震から1995年兵庫県南部地震まで-"福山大学 Hightech-reserch-Center紀要. 1巻.1号(発表予定). (2001)