砕波帯内の長周期水位変動に及ぼす連行気泡の影響に関する研究

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12650511
• Research Institution: Toyohashi University of Technology
• Principal Investigator: 青木 伸一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (60159283)
• Keywords: 長周期波 / 砕波 / 気泡 / 連行 / 気液混相流 / ポテンシャルエネルギー

Research Abstract

本研究では,砕波帯付近の浅海域で高波浪時に発達する周期数分程度の長周期の水位変動の発生要因として,砕波によって水中に連行された気泡による一時的な水位の上昇とその伝播をとりあげ,実験的,理論的に検討することを目的としている.
1.水塊の突入による気泡の連行と水位上昇に関する水理実験
2次元水路上部にヘッドタンクを設置し,タンク底部に設けたオリフィスをを瞬時に開放することにより,鉛直のジェットを水路内の水面に突入させ,多量の気泡連行に伴って生じる水面変動を測定した.その結果,水位上昇の継続時間は水塊の突入量に関係なく,水路内の水深によって決まることが明らかになった.
2.気泡放出過程での水位変動と伝播に関する水理実験
幅5cmの狭い2次元水路内に気泡発生装置を設置し,気泡の発生に伴って水路内の水位変動がどのように変化するかを調べた.実験では気泡量を変化させ流況の変化を見ると同時に,波高計により水位変動の伝播過程を測定した.本実験により,気泡の放出過程で形成される強い循環流が水位変動に大きく影響していることがわかった.1.の実験結果と考え合わせると,気泡の水位変動に及ぼす影響を支配する時間スケールは,水深と気泡の上昇速度で決まることが明らかになった.
3.プランジングジェットによる気泡連行に関する基礎実験
水塊の突入による気泡の連行過程を詳細に検討するために,鉛直プランジングジェットによる連行気泡量を電極型ボイド計で測定し,気泡の濃度分布と気泡によって蓄積されるエネルギーについて考察した.

Research Products

• [Publications] S.Aoki,H.Chanson,M.Marayama: "Water Level Rise Caused by Air Bubbles at Plunging Breakers"Proc.27th Int.Conf.on Coastal Eng.. Vol.1. (2000)
• [Publications] A.Hoque and S.Aoki: "Gain and Loss of Potential Energy through Air Bubble Entrainment into Water"土木学会中部支部研究発表会講演概要集. 179-180 (2001)