2001 Fiscal Year Annual Research Report
砂州河床の変動に及ぼす流量および供給土砂の効果に関する研究
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12650522
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
三輪 浩 舞鶴工業高等専門学校, 建設システム工学科, 助教授 (70190832)
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Keywords | 河床変動 / 交互砂州 / 水みち / 浮州 / 淵 / 波長 / 波高 / 混合砂 |
Research Abstract |
本研究は,交互砂州河床を対象として,上流域からの流量供給条件や土砂供給条件の違いが下流側の砂州の変形過程および流砂量変動に及ぼす影響と,これらに及ぼす混合砂の分級効果を明らかにすることを目的としている.本年度は給砂なしの条件下で発達した水みち河床が給砂と給水を行うことによって交互砂州河床に遷移する過程について検討した.得られた結果を以下に要約する. 1.低流量の場合は上流側の水みちを形成している浮州は徐々にその規模が小さくなり,これに伴って水みち幅が拡大する.これは輸送能力を超える給砂による河床上昇と浮州の侵食によるものであり,水みち幅の拡大に伴って交互砂州が発達する.また,下流側の浮州は不安定なために容易に水没し,上流側に先行して交互砂州が発達する.高流量の場合は給砂量が流出砂量に近くなるため,河床の上昇はわずかであり,上流側の水みち幅の拡大は主として浮州の浸食によって進行する. 2.一様砂河床では浮州は上流部から浸食されるが,混合砂河床では下流部も同時に浸食される.これは浮州の下流側が主として細砂で構成されており,容易に侵食されるためである.これによって,砂州の形成に要する水みち幅の確保がより容易に行われるとともに,粗砂による前縁線の形成によって交互砂州は発達しやすい.また,下流側では水面下の砂州が比較的安定であり,交互砂州への遷移は上流側によりも遅れる. 3.水みち河床から交互砂州河床に遷移する過程における波長,波高の変化は,通水初期では水みちの存在によって大きな価を示すが,浮州が減衰し,交互砂州に遷移するにつれて徐々に低下する.また,低流量時の交互砂州の波長,波高は高流量時よりも大きく,しかも初期交互砂州のそれらよりも大きい傾向にある.これは,輸送能力を超える給砂を与えることによって河床が上昇するとともに,低流量によってより規模の大きい交互砂州に遷移するためである.
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Research Products
(2 results)