2000 Fiscal Year Annual Research Report
高速道路における危険個所走行時の心理的負担の計測方法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
12650526
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
屋井 鉄雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10182289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 哲夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40272679)
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Keywords | 心理的負担 / 高速道路 / 危険個所 / RR間隔 |
Research Abstract |
自動車運転中には,予想外のことでヒヤリとしたり,危険地点では事故を起こさないように運転するために「注意集中」が通常以上に必要であるなど,何らかの心理的負担が存在する.心理的負担は従来用いられて来た事故に関する安全性指標のみでは計りきれない性質を持つことが分かっている一方,受ける被害は自己のそれより大きくなく,観測できないことから従来は検討されてこなかった.本研究では心理的負担の分析可能性について,首都高速道路を被験者に走行させた過去3年分の計測データを用いて検証し,負担発生地点・要因を探ると共に心理的負担を軽減する可能性について検討する.なお負担の測度としてRR間隔を用いた. 始めに心理的負担の指標について検討を行い,単位時間負担量,標準化単位時間負担量,順位負担量の各負担量指標を提案した.また,負担量算出の際に用いる基準値の検討を行い,走行平均を基準値とするのが望ましいことが分かった.さらに,走行回毎の平均値を基準値とすれば,慣れや疲労等のノイズを大幅に除去できたることも分かった. 次に,負担量の個人差を考慮した上で被験者間の比較を行い,負担発生地点は他車の影響が大きい区間,道路構造の影響が大きい区間,両者の影響とも大きい区間に大別できると分かった.さらに順位負担量を用いることにより区間毎の総負担量を算出し,ランプ合流やJCT合流において大きな負担量値が得られた.また標準化単位時間負担量に影響を及ぼす要因として「人」と「場所」を仮定し構造模型を元に分散分析を行ったところ,「場所」の影響が「人」の影響に比べて常に大きく,また誤差と比べても十分に大きいことが分かった.最後に,合流車ドライバーに本線車に関する走行支援情報を提供したところ,合流部の心理的負担量を軽減できることが分った.
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Research Products
(1 results)