夜間光衛星画像データDMSPによるアジアの地域別経済活動強度推定

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12650537
• Research Institution: National Institute for Environmental Studies
• Principal Investigator: 一ノ瀬 俊明 独立行政法人国立環境研究所, 地球環境研究センター, 主任研究員 (30231145)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 松村 寛一郎 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (10333551) ; 中谷 友樹 立命館大学, 文学部, 助教授 (20298722)
• Keywords: DMSP / 経済活動 / 都市化 / アジア / リモートセンシング / 中国

Research Abstract

米国の軍事気象衛星により撮影された夜の地球表面の光強度画像データ(DMSP/OLS)としては,1994年中旬〜1995年中旬に撮影された256シーンのうち,光が存在したところと存在しなかったところをパーセンテージで示したものが公表されており,経済活動の活発な地域ほど夜間の光強度が強いとの仮定のもとに,光強度とマクロ経済指標との整合性を検証した.両者の関係を用いれば地域別経済統計資料の有無にかかわらず,シームレスに地球表面上の経済活動の分布を捉えることが可能であると思われる.一方このデータを時系列データとして入手することが可能となれば,経済活動強度分布の時系列変化を捉えることができるのではないかという仮説にもとづき,世界に先駆けて,アジア地域における3時点(1992〜1993,1996,1998)のデータセットを構築した.このデータセットを中国の省級行政区単位に集計して指標化し,既存の社会経済統計指標と比較して,その代替性について検討した.今回作成されたデータセットは1994年中旬〜1995年中旬の事例と違い,撮影されている光の強度も反映されるような処理を行ったものである.このデータセットより加工された中国の省級行政区別年次別の灯光指数と,中国統計年鑑などに掲載されたいくつかの社会経済統計指標を比較した結果,単位面積当たりGDPや単位面積当たり電力消費量との間に高い相関関係が見出せるようである.ただし,ここでは上海市など一部の高度に開発された地域を除いていることや,国単位での解析例にも見られるとおり,一定の経済水準に達した地域では光量が飽和してしまう傾向があるため,こうした明瞭な相関関係が成立する地域や空間スケールに留意する必要がある,なお視在,地級・県級行政区を単位とした事例への適用や,経年変化を追いかけるためのレベルの補正手法などを検討中である.

Research Products

• [Publications] Ichinose, Matsumura, Nakaya, Nakano, Elvidge, Imhoff: "Estimation on regional intensity of economic activity in Asia : An application of nocturnal light image by DMSP/OLS"Second workshop of the EARSeL Special Interest Group on Remoto Sensing for Developing Countries. (2002)
• [Publications] 一ノ瀬俊明, 中野泰臣, 松村寛一郎, 中谷友樹, Elvidge, C.: "夜間光衛星画像データDMSPの中国における地域別経済活動指標代替性の検討"日本地理学会学術大会発表要旨集. 61. (2002)
• [Publications] 中野泰臣, 中谷友樹, 松村寛一郎, 玄場公規, 一ノ瀬俊明: "米国軍事気象衛星データを用いたアジア地城の人間活動分析"土木学会環境システム研究論文発表会講演集. 29. 69-74 (2001)
• [Publications] 一ノ瀬俊明: "夜の地球表面に描かれたアジア地域の経済活動"国立環境研究所公開シンポジウムパンフレット. 4. (2001)
• [Publications] 一ノ瀬俊明, 松村寛一郎, 中谷友樹, 中野泰臣, Elvidge, C.: "夜間光衛星画像データDMSPによるアジアの地域別経済活動強度推定"日本地理学会学術大会発表要旨集. 59. 192-192 (2001)
• [Publications] Ichinose, Matsumura, Nakaya, Nakano, Elvidge, Imhoff: "Development of Methodology to Quantify Developing Stages of Urban Area -Applicable Methodology to Cities in the World-"Report of Global Mapping Forum 2000. (CD-ROM)(Dr.Toshiaki Ichinose.pdf). (2000)