2000 Fiscal Year Annual Research Report
紛争を伴った迷惑施設の創発的環境条件に関する実証的研究
Project/Area Number |
12650551
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Research Institution | Daido Institute of Technology |
Principal Investigator |
舟渡 悦夫 大同工業大学, 工学部, 教授 (60105632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 喜昭 大同工業大学, 工学部, 講師 (20283161)
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Keywords | 迷惑施設 / ゴミ処分場 / 住民意識調査 / データベース / 創発 |
Research Abstract |
1.ゴミ処分場施設の紛争事例の収集と簡易データベースの作成 迷惑施設の代表例としてゴミ処分場を取り上げた。当該施設が発生源となり、施設周辺住民など被害者から法的な対処を求められた紛争事例を、判例集(判例タイムズ),インターネットのホームページから収集した。各事例について、発生年月,発生地域,施設種類,公共性のランク,行為・現象・被害の種類,加害者,被害者,被害程度などの諸要因を整理し、判例としては47件,ホームページとしては51件の事例からなる簡易データベースを作成した。 2.紛争を伴ったゴミ処分場施設における住民意識調査の実施 施設周辺住民に対する迷惑行為・現象・被害が「環境の質」を著しく損なう危険性の高い特定施設として紛争事例の多いゴミ処分場をとりあげた。具体的には、名古屋市が現在新規計画中である管理型最終処分場(仮称「加福処分場」)を調査対象とし、施設周辺住民に対して以下の点に留意し住民意識調査を行った。 1)施設周辺の住民が、施設周辺地域の「環境の質」に対して、どのような評価をしているかを把握する。その際、CVM(仮想市場法)を用い環境の質の貨幣換算を行う。 2)紛争解決に向けた創発的環境条件の一つと考えられる住民の情報摂取度,行事参加度などに関する質問項目を設定する。なお、調査対象人数は各地区100人程度とし3地区で実施した。 住民意識調査の結果より、施設周辺の住民に対して「特別な配慮」が"絶対に必要"(45%)、"あってもよい"(35%)という意見が得られた。また、処分場の環境に関する情報については、半数の住民が"月1回以上"の頻度で、"公報"などの印刷物で公表することを望んでいる。さらに、「ゴミ減量のための家庭ゴミの有料化」に対して、"反対"の割合が30〜42%であり、施設から遠い地区ほど反対する割合が高いことが分かった。なお、家庭ゴミの有料化に対する年間の1人あたり支払い意志額は、150円〜3300円であった。
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