2000 Fiscal Year Annual Research Report
水平2方向および鉛直方向の地震動を受ける鉄筋コンクリート構造の非線形応答
Project/Area Number |
12650562
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩原 等 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50272365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松森 泰造 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10272361)
小谷 俊介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30133101)
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Keywords | 上下地震動 / 地震応答 / 軸力変動 / 動的載荷 |
Research Abstract |
建築構造物には地震時に水平力と同時に上下震動が作用する。この結果床と梁の分布質量に上下力が作用する。そこで上下震動が励起され柱の軸力に変化を及ぼして非線形地震応答にも影響する可能性がある。そこで、鉄筋コンクリート建物の地震応答に及ぼす上下震動成分が骨組構造の非線形地震応答に及ぼす影響を検討している。集中質量型のモデルと鉛直質量と回転質量をそれぞれ床に分布させた分布質量モデルを用いた平面骨組の解析では、次の結果が得られている。梁に分布する鉛直質量を考慮した場合としない場合の違いは、特に上下動による柱の軸力変動の発生の有無であり、その影響は、低層建物の柱で特に大きく、中高層建物の内柱にも影響が表れた。上下動に対するモデル化においては、低層でスパンが長い場合には、分布質量の影響が無視できないものと考えられ、設計においてはその影響を考慮すべきである。一方で水平変位応答や層せん断力応答に及ぼす上下震動や床分布質量の影響は小さかった。上下動により生じる柱の軸力変動はスパイク状の高周波成分であり、最大変動幅は上下動の強さにほぼ比例して変動した。上下動や分布質量が、梁端部のモーメントと回転角の関係の形状に及ぼす影響は小さかった。平成12年度において以上の結論を得た。 ただし、一般的な結論としては、例えば解析モデルには動的載荷影響による材料の強度や破壊モードの変化は考慮されていない。そこで、次年度以降鉄筋コンクリート片持ち梁の動的載荷データの分析、動的載荷時に歪速度の影響により鉄筋とコンクリートの強度の上昇が部材の強度や破壊モードに及ぼす影響を表す解析モデルの開発、耐震壁により偏心の大きな構造物の鉄筋コンクリート建物の地震応答に及ぼす影響の検討により一般的な結論を導くこととなる。
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[Publications] Shiohara,H.: "New Model for shear failure of RC Interios Beam-Column Connections"Journal of Structural Engineering,ASCE. 127・2. 152-160 (2001)
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[Publications] Zaid Safaa,Shiohara,H.: "Test of a New Reinforcing Detail Improuing Joint Capacity of R/C Intrios Beam Joint"Journal of Structural Engineering,ATJ. Vol.46B. 561-569 (2000)
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[Publications] R.Alanghebandian,S.Otani and H.shiohara: "Effect of Distributed Mass on Earthquake Response of Reinforced Concrete Frames"Proc.of 12th World Conference on Earthquake Engineering. CDのためNA. (2000)
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[Publications] S.Otani: "Seismic Vulnerability Assessment of Reinforced Concrete Buildings"Journal of Graduate school of Engineering,University of Tokyo. Vol.XLVII. 5-28 (2000)