2000 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリートの破壊進行領域におけるせん断挙動に及ぼす加力方向の影響
Project/Area Number |
12650566
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
篠原 保二 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (50196408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香取 慶一 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (50224556)
林 静雄 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (90092569)
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Keywords | コンクリート / 繰返しせん断挙動 / 破壊進行領域 / ひび割れ / せん断剛性低減率 / 荷重制御 / 変位制御 |
Research Abstract |
本研究では、コンクリートのひび割れ面に垂直方向の垂直荷重(引張または圧縮)と接線方向のせん断荷重が同時に作用した応力状態におけるひび割れ生成と進展挙動およびその破壊進行領域における力学的特性を明らかにすることを目的としている。昨年度までに、サーボ制御システムによって垂直方向と水平方向を独立に制御可能な2軸加力装置を構築し、始めにひび割れを純引張下で生成し、その後ひび割れ面に垂直な変位または荷重を一定とする境界条件下(変位制御または荷重制御)で単調加力圧縮せん断実験を行い、垂直方向荷重、垂直方向変位、せん断荷重およびせん断変位の4者の関係を明らかにした。しかしながら、地震時には交番応力が作用するため、繰返しせん断荷重がコンクリートのひび割れ面における力学的挙動にどのような影響を与えるかについても検討する必要がある。そこで今年度は繰返しせん断実験を中心に研究を進めた。まず試験体と加圧盤の間の引張伝達機構であるが、予備実験や有限要素法による解析結果を参考にして、接着剤を用いることとした。また、クローズドループサーボ制御システムによる繰返しせん断実験を行うのに必要なプログラムの見直しとその動作確認等を行った。以上の準備を踏まえ、変位制御および荷重制御下で繰返しせん断実験を行った。繰返し方法は変位制御および荷重制御試験で異なる。変位制御の場合、引張せん断力は10kNで折り返し、圧縮せん断力は-50kN増分の漸増繰り返し載荷とした。荷重制御の場合、引張せん断力は同じく10kNで折り返し、圧縮せん断力は垂直変位(ひび割れ幅)が0.5mm増分の漸増繰り返し載荷とした。両者とも引張せん断力を10kNで折り返したのは、予備実験の結果より接着部分の引張耐力が20kN程度であったことによる。単調加力せん断挙動との相違等については,今後考察していく予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 篠原保二: "コンクリートのひび割れ面における垂直荷重制御繰返しせん断挙動"コンクリート工学年次論文報告集. 22・3. 121-126 (2000)
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[Publications] 篠原保二: "コンクリートのひび割れ面における変位制御繰り返しせん断挙動 その1 せん断試験方法"日本建築学会大会学術講演梗概集. [C-2]. 671-672 (2000)
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[Publications] 篠原保二: "コンクリートのひび割れ面における変位制御繰り返しせん断挙動 その2 繰り返しせん断試験結果"日本建築学会大会学術講演梗概集. [C-2]. 673-674 (2000)