2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650582
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
芳村 学 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (20210768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 孝也 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (50305421)
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Keywords | 中間層崩壊 / 鉄筋コンクリート柱 / せん断破壊 / 旧基準建物 / 耐震補強 / 地層応答解析 / 層間変形 / ベースシア係数 |
Research Abstract |
本年度は、平成12年度に行った鉄筋コンクリート(RC)柱に関する実験の結果を用いた解析を行い、耐震壁の増設で旧基準により設計された既存建物を耐震補強することによって中間層崩壊の発生を防ぎ、被害を許容される範囲内にとどめる方法を検討した。その際、実験を行った試験体の2倍の大きさをもつ柱からなる10層と5層の旧基準RC建物を耐震壁により補強することを想定して、補強前と補強後に関する地震応答解析を行った。解析対象は、多質点せん断モデルとした。実験結果を参考にしてせん断破壊型RC柱の軸力保持能力喪失を考慮できる復元力モデルを作成し、建物の崩壊過程を考慮した解析を行った。復元力モデルは最大耐力後の耐力低下を考慮し、実験結果より水平耐力がゼロになったときに軸力保持能力を喪失して崩壊するものと考え、耐力ゼロ時の変形を実験結果をもとに算定した。入力地震動には、最大速度を50(cm/s)に基準化した4種類の地震動を用いた。さらに、諸設計指針での大地震動に対する許容層間変形角が1%程度であることから、そのために必要な壁補強量についても検討した。 得られた結果は以下の通りである。 1)補強前建物では中間層に変形が集中し、大きな被害を受ける可能性がある。 2)10層モデル、5層モデルともにベースシア係数が0.5以上になるように補強を行えば、層間変形を1%以下に抑えられる。 3)壁補強量のわずかな違いでも応答が大きく変わることがある。 4)層間変形1%を許容しても、建物の挙動は安定していると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 中村孝也, 八木克己, 芳村 学: "旧基準建物の補強後の地震応答(その1 解析概要)"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2. 901-902 (2002)
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[Publications] 中村孝也, 八木克己, 芳村 学: "旧基準建物の補強後の地震応答(その2 解析結果)"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2. 903-904 (2002)
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[Publications] 中村孝也, 八木克己, 芳村 学: "旧基準RC建物の補強後の地震応答"第11回日本地震工学シンポジウム論文集. 1585-1588 (2002)