2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650585
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
上村 智彦 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (00052879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 静雄 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (90092569)
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Keywords | 鉄筋コンクリート構造 / 壁梁 / 接合部 / 偏心 / 捩れ力 / 終局耐力 |
Research Abstract |
本研究は、偏心の影響の大きい壁梁が柱に偏心して取り付く場合の接合部の力学的挙動、特に接合部耐力を実験的に検討するものである。試験体は偏心していない試験体、1体と偏心させた試験体(偏心距離と柱幅の比が0.35)、3体である。梁及び柱が曲げ降伏後に接合部破壊する試験体を偏心させ、捩れ挙動に最も影響を与える柱と接合部の補強筋量及び、柱の全鉄筋比の破壊性状と最大耐力に対する影響を実験的に考察する。結果として以下のような知見が得られた。 1.偏心していない場合に梁及び、柱が曲げ降伏後に接合部破壊する試験体が、偏心すると接合部破壊に進展することなく、柱部分が、捩れ応力を含む複合応力下で、壁梁取り付き側柱部分で局部的に破壊する。当然のことながら、偏心していない場合より最大荷重は、低い値である。従って、壁梁・柱偏心接合部では、梁せいの低い普通の梁からなる接合部が破壊する程度の接合部せん断入力量を作用させた場合でも、捩れを含む複合応力下で柱で破壊すると予測される。即ち、壁梁・柱偏心接合部では、一般に接合部で破壊することなく柱で破壊することになると思われる。 2.捩れを含む複合応力下で柱で破壊した試験体間における実験変数の最大耐力に対する影響は、接合部補強量と柱主筋量が少ないと、最大耐力が低くなる。ただし、複合応力下での柱の耐力には、本実験のフープ筋量と柱主筋量の範囲では影響が小さい。 3.捩れを含む複合応力下で柱で破壊した試験体の耐力は、捩りと曲げせん断の組み合わせ応力下による破壊条件式を用いて、9〜18%の相違で求められるが、条件式は、危険側の評価を与える。
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