2000 Fiscal Year Annual Research Report
超高層建築物の空力不安定振動に伴う崩壊機構に関する研究
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12650586
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河井 宏允 京都大学, 防災研究所, 教授 (60027282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤波 潔 東京電機大学, 理工学部, 助手 (70307669)
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Keywords | 空力不安定振動 / 弾塑性振動 / 振動制御 / カルマン渦 / ギャロッピング / 構造減衰 / 風洞実験 / 振動依存風力 |
Research Abstract |
辺長比1:2の角柱の空力不安定振動について,振動時のカルマン渦放出の相似性と振幅に伴う揚力係数の増大を考慮した振動解析モデルを,カルマン渦による強制振動モデルを基礎として作成し,減衰定数と質量比を広範囲に変化させた実験結果と比較した。その結果,この空力不安定振動の大きな特長である発現風速の減衰定数への非依存性と,質量比に伴う発現風速および振幅の変化などが,提案したモデルによって定性的にも定量的にも極めて精度良く推測できることが明らかになり,解析モデルの妥当性と有用性を立証することができたとともに,この空力不安定現象に関する物理的な理解を深めることができた。 また,弾塑性振動に係わる不安定現象に対する空力振動実験を実施するため,フィードバック制御による装置を考案し,その実現可能性を数値実験によって検討するとともに,実験装置を試作しその性能について検討した。従来の振動装置では,構造減衰や構造剛性などをバネや粘性ダンパーなどの物理的な定数を変化することによって,系の特性を決めていたが,本装置では,得られた振動を系にフィードバックすることよって,閉ループの振動系として任意の物理的な定数を持つ振動系を構成するという点に特長がある。数値実験で履歴剛性な振幅依存減衰などを含む任意の振動系の基礎的なフィードバック制御方法を検討した結果,前進予測型制御がこの場合においては優れた特性を有することが判明し,これに基づいて実験装置を試作した。現在,その性能を測定している段階であるが,数値実験には示されていない諸要素が原因で,実際には理論通りの制御ができないことが予備実験により判明している。今後は,より高精度の実験のため,理論的な検討を含めて,実際の装置に混入した様々な影響を考慮した制御方法を模索する予定である。また,実現した装置を用いて,弾塑性振動モデルによる空力不安定現象の把握とその解析モデルの作成を試みることも予定している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Kawai: "Aeroelastic Instability of a Rectangular Cylinder with Side Ratio of 1/2 in Smooth Flow"Proceedings of Fourth International Colloquium on Bluff Body Aerodynamics and Applications. 255-258 (2000)
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[Publications] 河井宏允,藤波潔: "一様流中の辺長比2の3次元角柱の空力不安定振動"第16回風工学シンポジウム論文集. 285-290 (2000)