2000 Fiscal Year Annual Research Report
免震機構を複合したアクティブ制震建築構造システムに関する研究
Project/Area Number |
12650589
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
西谷 章 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70156074)
|
Keywords | 中間階免震 / 最適化 / 動特性 / アクティブ制御 / セミアクティブ制御 / ダンパ |
Research Abstract |
近年、免震、制震構造の本格的な実用化を契機として、新たな耐震設計の提案も行われてきている。制震システムは、アクティブ、パッシブ型を問わず、多くの機構が提案されている。しかしながら、アクティブ制震の多くは、機構上の制約から、大きな地震に対して効果的に機能するシステムとはなっていない。一方、免震構造も、多くの中低層構造物に採用され効果が実証されているが、高層構造物に対する効果については、現状では議論の分かれるところである。 本研究の目的は、大地震時の安全性確保にも有効な、中間階に免震機構を複合したアクティブ制震構造システムの設計法の確立である。研究対象としては、中間階に設置される免震機構および建築物全体としてのあり方、そして中間階免震機構を利用した制震システムとしての制御アルゴリズムの確立までを含む。 本年度は、中間階に免震機構をもつ構造物のパッシブ制震効果を確認し、無制御を前提とした免震層の最適化を行う目的で、コンピュータシミュレーションを行っている。このコンピュータシミュレーションにより、免震層の設置位置と構造物全体の応答との関係を定量的に把握し、高い制御効果を得るための免震層の剛性と減衰のあり方を求めた。また、中間階に免震層を設置することを前提とした構造計画に対する検討も行っている。 さらに、次年度に予定しているアクティブ制震化のための準備として、パルス制御およびセミアクティブ制御ダンパを複合した中間階免震機構についても基礎的な検討を加え、制御することでより大きな制御効果が期待できることを確認している。
|