2000 Fiscal Year Annual Research Report
ポリアミック酸とSiOガスを出発原料とする超肉薄SiCの創製と形状・特性制御
Project/Area Number |
12650672
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
内山 休男 長崎大学, 工学部, 教授 (50039690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 秀明 長崎大学, 工学部, 助手 (10253634)
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Keywords | ポリアミック酸 / SiOガス / シリコンカーバイド / 気相合成 / 形状制御 / 特性制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ポリアミック酸を炭素源とし、SiOガスをケイ素源として、数ミクロン厚さの超肉薄SiCを低温で合成する新製造プロセスを確立し、その形状と特性を制御することである。平成12年度の研究計画は合成法の確立と形状制御である。 1.合成方法の確立:ピロメリット酸二無水物と4,4'-ジアミノジフェニルエーテルを等モル反応させて得られたポリアミック酸(PAA)溶液をガラス板に塗布してイミド化させ、ポリイミド(PI)フィルムを作製した。作製したフィルムから切り出した試料をSiC製試料台に乗せ、SiO粉末を入れたタンマン管の中に設置し、1400℃に1時間保持した。この時、炉内の雰囲気を真空、常圧アルゴンの二通りとした。真空、常圧アルゴン雰囲気のどちらで処理した試料でもβ-SiCの生成が確認されたが、常圧アルゴン雰囲気で処理した方がβ-SiCの生成物が多いことが判った。 2.形状制御:上記の結果から、PAA溶液を型に塗布してイミド化させて形状を制御したPIを作製し、ケイ化させることによりその形状を受け継ぐβ-SiCが作製できると考えられた。しかし、PIがケイ化してβ-SiCになる時に収縮するため、型との間に発生する応力に耐えきれずに破壊し、完全な形のβ-SiCを得ることができなかった。反応後のフィルムは二層構造であり、表面層はβ-SiC層、中央層はケイ化しなかった炭素層であった。そこで、PIフィルムを細く裁断して短冊状にした試料をケイ化処理し、中央の炭素を酸化消失させたところ、β-SiCの管を作製できた。 次年度は、管の肉厚調節、長さと形はPIの形状を受け継ぐことができるので、コイル状やS字のβ-SiC管の作製を目指す。また、引き続き形状制御を試みる。
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