2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650715
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
熊田 誠 山口大学, 工学部, 教授 (60284262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸 英昭 住友金属工業(株), 総合技術研究所, 研究主幹(研究職)
前田 秀治 山口県産業技術センター, 生産システム部, 専門研究員(研究職)
小渕 茂寿 山口大学, 地域共同研究開発センター, 助教授 (30225560)
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Keywords | 微生物腐食 / 鉄酸化細菌 / 酸性環境 / 微生加工技術 / 軟鋼 / 銅 / 腐食加工 / 表面粗さ |
Research Abstract |
本年度の研究実施目標項目は次の4項目である。(1)鉄酸化細菌,特に酸性環境に生息するチオバチルス・フェロオキシダンスの培養試験,(2)最適培養条件下での鉄鋼の腐食加工量の測定試験,(3)最適培養条件下での他の材料(銅)の腐食加工量の測定試験,(4)鉄酸化細菌の腐食加工の機構解明。以下実施内容について報告する。 (1)鉄酸化細菌,特に酸性環境に生息するチオバチルス・フェロオキシダンスの培養試験:微生物を培養するため,インキュベータを1台(東京理化器械,FLI-301N)購入した。これは金属加工に微生物を多量に培養する必要があるためである。9K培地を用いて微生物の培養試験を行った。培養時間に伴うバクテリア数には溶液のpH依存性があるが,どのpHにおいてもバクテリア数は培養時間3〜4日で最大になる。バクテリア数が最大になるpHとバクテリア数が最大になるのに要する日数が最小になるpHは共に2.5である。しかし,再現性はpH3.0が最も良い。(2)及び(3)最適培養条件下での鉄鋼の腐食加工量の測定試験:9K培地,培養済み溶液,滅菌した培養済み溶液中で軟鋼及び銅について加工量を測定した。9K培地,培養済み溶液中では軟鋼の加工量が銅に比べて大きい。滅菌した培養済み溶液中では両者の間に差が余り見られない。培養済み溶液中での軟鋼の加工量は板厚換算で約30〜32mm/y,銅では約6mm/yである。表面粗さは軟鋼では約30μm,銅では3〜4μmとなり,軟鋼の加工量は大きいが表面粗さも粗い。(4)鉄酸化細菌の腐食加工の機構解明:9K培地中ではFe^<2+>,SO_4^<2->,FeSO_4が存在する。FeSO_4を基質として鉄酸化細菌が繁殖し,Fe_2(SO_4)_3が生成する。次にFe_2(SO_4)_3が酸化剤となり,軟鋼と銅を化学的に溶解する。
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Research Products
(1 results)