2001 Fiscal Year Annual Research Report
過冷状態の2成分系溶融金属滴が平板に衝突した際の急速凝固解析
Project/Area Number |
12650735
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
深井 潤 九州大学, 工学研究院, 助教授 (20189905)
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Keywords | 急速凝固 / 溶融金属 / 衝突 / 2元系 / 過冷 / スプレーフォーミング / 数値解析 |
Research Abstract |
1 前年度開発した1次元急速凝固モデルを用いて,すず-5wt鉛合金薄膜が銅平板とステンレス平板に接触した場合の伝熱,物質移動および組織成長を検討した. (1)凝固面温度と凝固速度との関係において,前年度観察された3つの振動現象が,薄膜の初期温度にはほとんど影響を受けず,平板の初期温度と材質および平板と薄膜間の接触熱抵抗に影響されることがわかった.これより,振動現象は,液相側への熱流ではなく,平板側への熱流の大きさに影響される現象であることを明らかにした. (2)各平板について,薄膜と平板の初期温度をパラメータとした組織成長マップを作成した.これにより,平板により組織成長の違いが明瞭となった.また,平板によっては,3つの振動現象のいくつかが観察されないことが予測された. 2 動力学的過冷を考慮した2次元凝固モデルを用いて,過冷した溶融すず滴がステンレス平板に衝突した場合の流動・凝固解析を行った.また,参照として過熱した溶融すず滴がステンレス平板に衝突した場合も解析した. (1)液滴が過熱している場合,液滴が変形し薄くなってから凝固するのに対し,過冷している場合,液滴の変形過程で凝固相が現れることが予測された. (2)凝固相の発生位置および発達過程は,平衡凝固温度を境として大きく異なることがわかった. (3)液滴が過熱している場合,凝固速度は液滴の変形にはほとんど影響しないが,過冷している場合,凝固速度は液滴の変形に影響される.また,その影響は液滴の初期過冷の増大とともに大きくなる. 3 溶融金属滴を平板に衝突させる実験装置を製作した.すず-5wt鉛合金を用いて予備実験を行った.
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Research Products
(1 results)