2002 Fiscal Year Annual Research Report
バイポーラ膜電解による強還元性溶媒の製造とその応用
Project/Area Number |
12650739
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 智司 千葉工業大学, 工学部, 助教授 (80118710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増子 昇 千葉工業大学, 工学部, 教授 (30010747)
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Keywords | バイポーラ膜 / イオン交換膜 / 強還元生溶媒 / 3価チタン溶液 / 二酸化チタン / 光触媒 / 強誘電体 |
Research Abstract |
本研究は特殊な構造を持つイオン交換膜であるバイポーラ膜の湿式製錬技術への適用の一環として、一連の強還元性溶媒Cr(II)、Ti(III)、V(II)についてバイポーラ膜を使用した電解槽で電解還元を行い、その膜特性を知ることと作製した強還元性溶媒の応用研究である。 昨年までに、パイポーラ膜電解法による強還元性溶媒の作製における原理的優位性の確認と共に、実験室規模での強還元性溶媒製造装置としての優位性を検証した。今年度は、作製した強還元性溶媒Ti(III)溶液の応用について、複雑な装置や高温を用いないソフト溶液プロセスによる光触媒TiO2やTi基複合酸化物の被膜および微粉末製造条件を検討した。低原子化状態からの原料で作製するので、従来法に比べ作製条件や性質等が異なることが期待される。 得られた結果をまとめると以下のようになる。 [TiO_2の製膜]浸漬法、電解酸化法いずれもTiO_2の皮膜ができ、pH2で作製した前者の皮膜は、約0.3μmのアナターゼタイプのTiO_2であり、500℃で熱処理すると耐酸・耐アルカリ性の密着性のよい皮膜となる。掃引速度3mV/secの動電位法にて8Vまでアノード分極した後は、TiO_2とTi_2O_3からなる約0.2μmの皮膜となり、アノード分極時間により金色、青、水色と変化する。光触媒作用は両者の膜ともに良好であった。 [TiO_2微粉末の製造]沈殿剤に尿素を用いた均一沈殿法のTiO_2微粉末は、Ti(III)色(紫色)をした非晶質であり、100℃付近で結晶化し、約0.7μmと非常に細かいアナターゼタイプの均一な球形の粉末となる。 [Ti基複合酸化物の製造]通常の温度(1200〜1500℃)より低い800℃で、結晶性の良い0.5〜2μmのBaTiO_3が生成できた。均一沈殿法で得たチタン酸亜鉛は、800℃でもZnTiO_3、Zn_2TiO_4の2相からなる均一な0.7μmの微粒子であった。
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