2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650743
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
栗林 一彦 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 教授 (70092195)
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Keywords | 無容器プロセシング / 球状シリコン / 過冷却 / 界面安定性 / 電磁浮遊 |
Research Abstract |
無容器プロセスは試料に対する汚染源や不均一核生成の優先サイトとなる容器壁がないため、液体を融点よりもはるかに低い温度まで過冷させることが可能であり、大過冷却状態からの非平衡凝固を利用した新たな材料設計を可能とする手段である。特に電磁浮遊は制御が容易であり、浮揚力も大きいことから広く利用されている。しかしながら、対象は金属が中心であり、半導体材料に関しての報告は極めて少ない。代表者はCO_2レーザーの照射を併用した電磁浮遊炉を構成し、Siを試料に過冷度と凝固形態の関係を調べた。その結果、SiはNiといった稠密な金属とは異なり、低過冷度域(0K〜100K)では薄板状の結晶となり、その板面はステップにおける原子の吸着が成長を律速する特異面{111}から成ること、また中過冷度域(100K〜210K)ではファセット的なデンドライト形態を呈することが分かった。一方、成長速度と過冷度の関係は古典的なデンドライト成長モデルで良く表されることも明らかになった。一見矛盾するこの二つの結果を合理的に説明するには、板状からファセットデンドライトへの形態変化は、沿面成長から連続成長へといった成長様式の遷移ではなく、板状結晶の端面あるいはファセットデンドライトの先端の形態安定性の問題と考え、中立安定性のクライテリオンに基づいたモデルから、板状結晶の端面は〜100Kで不安定化しファセットデンドライトに変化すること、また板状結晶の形態が保たれる臨界の過冷度は試料のサイズに依存し、小さいほど大きくなることを理論的に導いた。次年度はこの仮説の検証と板状結晶を種結晶とする単結晶化の実験を試みる。
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[Publications] K.Nagashio: "Peritectic Coupled Growth in Nd-Based Superconducting Oxides from Highly Undercooled Melt"Materials Science Forum. 329-330. 197-202 (2000)
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[Publications] K.Nagashio: "Containerless Solidification of Peritectic and Eutectic Ceramics using Aero-Acoustic Levitator"Materials Science Forum. 329-330. 173-178 (2000)
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[Publications] Y.Inatomi: "Scaling Analysis of Semiconductor Crystal Growth from the Liquid Phase in Axis Static Magnetic Field"Materials Transaction, JIM. 41. 1036-1033 (2000)
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[Publications] K.Nagashio: "Phase Selection of Peritectic Phase in Undercooled Nd-based Superconducting Oxides"Acta mater.. 48. 3049-3058 (2000)
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[Publications] T.Aoyama: "Influence of Undercooling on Solid/liquid Interface Morphology in Semiconductors"Acta mater.. 48. 3739-3744 (2000)
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[Publications] K.Nagashio: "Formation of NdBa_2Cu_3O_<7->_Amorphous Phase by Combining Aero-Acoustic Levitation and Splat Quenching"J.Materials Research. 16. 138-145 (2001)