2001 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンドアンビルセルによる超臨界水中での金属酸化物微粒子形成に関する研究
Project/Area Number |
12650744
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 宏 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10168479)
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Keywords | HDAC / 水熱合成 / 圧力制御 / Al00H |
Research Abstract |
超臨界水中での水熱合成による微粒子生成機構解明には粒子析出や生長といった相挙動が重要であり、その観測の一つの手段として水熱ダイヤモンドアンビルセル(HDAC)による方法がある。試料ホールダー内容積は50nL程度と非常に少量であり、広範囲での現象の定性的理解には非常に優れた手法である。しかし,圧力の制御性の低いことが測定での課題とされてきた. そこで、本研究ではHDAC観察での圧力制御性を向上するための装置的改良をしたHDAC実験装置を開発・製作するとともに、改良装置を用いて、AlOOH,LiCoO_2、LiMn_2O_4を試料として、これらの水熱合成反応のその場観察と記録、さらにその解析による反応機構に関する情報を収集し、連続反応装置での研究結果との照合による反応、粒子形成機構の解明を行うことを目的とした。 本年度は,前年度試作した歪ゲージセンサーを内臓した加圧用螺子を装填したHDACの検証とそれを用いたAlOOH微粒子生成実験を行った. 圧力検証については,水の低温域での相転移の測定で実施した.室温(19-20℃)で圧力を最大2GPaまで上昇させたところ,まず0.9GPa付近にて氷IVが,引き続いて2.1GPaにて氷VIIに相転移する挙動が観測された.この相転移圧力は,文献値を良好に一致しており,螺子形式の圧力センサーの検証が行われた.なお、同時に測定したRamanスペクトルからは水のOH対称伸縮振動スペクトルでの波数シフトも観測された. Al(N0_3)_3を原料にしたHDACでの水熱合成を421℃,〜850MPaの範囲で行った.昇温とともに反応が進行し,ゲル状物質が生成した.また,この生成が臨界密度近傍で促進すること,さらにベーマイトAlOOH微粒子の生成の重要な役割を果たしているこが判明した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] G.Li, RL.Smith, Jr., 猪股 宏: "Synthesis of Nanoscale Ce_<1-x>Fe_xO_2 Solid Solutions via a Low Temperature Synthesis"Journal of the American Chemical Society. 123. 11091-11092 (2001)
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[Publications] 渡邉 賢, 陶 究, 阿尻 雅文, R.L.Smith, Jr., 猪股宏, 新井 邦夫: "Control of methanol oxidation by ionic behavior in supercritical water"Chemical communications. 21. 2270-2271 (2001)
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[Publications] G.Li, R.L.Smith, Jr., 猪股宏, 新井 邦夫: "Synthesis and thermal decomposition of nitrate free boehmite nanocrystals by supercritical hydrothermal conditions"Materials Letters. 53. 175-179 (2002)
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[Publications] Tao Wang, R.L.Smith, Jr., 猪股宏, 新井邦夫: "Reactive Phase Behavior of Aluminum Nitrate in High Temperature and Supercritical Water"Hydrometallugy. (submitted). (2002)