2000 Fiscal Year Annual Research Report
ゾルーゲル法と凍結乾燥を利用したメソ構造制御超多孔体カーボンの創製
Project/Area Number |
12650767
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田門 肇 京都大学, 工学研究科, 教授 (30111933)
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Keywords | メソポーラスカーボン / ゾルーゲル重合 / エアロゲル / クライオゲル / 超臨界乾燥 / 凍結乾燥 / 細孔構造形成 / t-ブタノール |
Research Abstract |
レゾルシノールとホルムアルデヒドのゾルーゲル重合、超臨界乾燥、熱分解によってカーボンエアロゲルが作製されている。カーボンエアロゲルは高比表面積、高空隙率の超多孔体カーボンであるが、超臨界乾燥を用いるために製造コストがきわめて高く、実用化されていない。ゾルーゲル法で合成した湿潤ゲルを凍結乾燥すれば、エアロゲルと遜色のないメソ構造を有するクライオゲルを作製できるとの着想により、カーボンエアロゲルと同等の細孔特性をもつ安価な高比表面積メソ構造制御炭素の創出を目的として本研究を実施した。 これまで凍結乾燥ゲルは超臨界乾燥ゲルと比較して構造収縮が著しいと考えられていた。t-ブタノールは凍結時に密度変化が水の1/200ときわめて小さく、また蒸気圧も水の14倍と大きい。そこで、レゾルシノールとホルムアルデヒドのゾルーゲル重合で得られた湿潤ゲルに保持されている水をt-ブタノールと置換して、凍結乾燥を行った結果、乾燥時の収縮が抑制され、高い乾燥速度でエアロゲルと遜色のないメソ構造を有するクライオゲルを作製することに成功した。また得られたクライオゲルを不活性雰囲気中で炭化しても、そのメソ構造が保持されることを確認した。メソ細孔性炭素を得るための湿潤ゲルの合成条件について検討した結果、メソ孔を保持するためには触媒濃度に上限があることが確認された。また、合成条件を変えることにより細孔半径分布のピーク値が1.4〜7.0nm、BET表面積は400〜750m^2/g、メソ細孔容積は0.1〜1.3ml/gで制御可能であることが分かった。さらに、凍結乾燥とマイクロ波乾燥、熱風乾燥の比較を行った結果、メソ孔性炭素を得るためには凍結乾燥が有用であることが確認された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hajime Tamon: "Influence of Gelation Temperature and Catalysts on the Mesoporous Structure of Resorcinol-Formaldehyde Aerogels"J.Colloid Interface. 223. 305-307 (2000)
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[Publications] Hajime Tamon: "Influence of Freeze-drying Conditions on the Mesoporosity of Organic Gels as Carbon Precursors"Carbon. 38. 1099-1105 (2000)