2001 Fiscal Year Annual Research Report
外部刺激応答性ペプチドホルモンの合成と細胞機能制御への応用
Project/Area Number |
12650788
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
篠原 寛明 岡山大学, 工学部, 助教授 (60178887)
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Keywords | 生理活性ペプチド / 非天然アミノ酸 / 光異性化機能 / ブラジキニン / 細胞内カルシウム / 光刺激 / 細胞機能制御 / インテリジェントペプチド |
Research Abstract |
9個のアミノ酸から成り、血圧降下作用を有する生理活性ペプチドであるブラジキニン(以下BKと略す)の8位のフェニルアラニンの位置に光照射刺激によりコンフォメーション変化を生じる非天然アミノ酸であるL-p-(フェニルアゾ)フェニルアラニン(azoAlaと略す)を導入したBKアナログアミド体を固相合成し、MALDI-TOF-MASSで同定した。次いでこの合成したazoAlaBKアミド体が、340nmの紫外光照射によりtrans型からcis型へ変化し、また450nmの可視光照射によりcis型から再びtrans型へ戻ることを吸収スペクトル測定やHPLC分析により明らかにした。そしてこのtrans型およびcis型のBKアナログアミド体を細胞内カルシウム蛍光指示薬をロードしたPC12細胞へ投与して、細胞内Ca^<2+>濃度変化を共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡により観測することによって、その細胞活性化能を評価した。その結果、trans型やnative型のBKアミド体では、500nM以上でようやくPC12細胞の活性化が誘起されるのに対して、cis型のBKアミド体で100nM程度で細胞を活性化できることが明かとなった。現在trans型を投与しておき、紫外光照射によってcis型に変換することによって細胞の活性化を引き起こす実験を検討中である。光異性化機能を有する非天然アミノ酸を組み込んだ生理活性ペプチドを合成して用いることによって、細胞機能の光制御が実現できる可能性が見えてきた。
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