2001 Fiscal Year Annual Research Report
配糖体合成における新規グルコース縮合酵素の探索と有用配糖体の生産研究
Project/Area Number |
12650792
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
木野 邦器 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60318764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇佐美 昭次 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063508)
桐村 光太郎 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90195412)
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Keywords | グルコース転移酵素 / グルコース縮合酵素 / グルコシダーゼ / 配糖体 / アルブチン / 酵素スクリーニング |
Research Abstract |
微生物酵素を用いた有用配糖体の効率的生産系の構築を目的に、遺伝子工学的手法も取り入れ検討を実施。マルトースを糖基質として特異的なグルコース転移活性を示す当研究室保有のXanthomonas campestris WU-9701の培養菌体から当該酵素活性を有するタンパク質の精製を実施。マルトース培養菌体の粗酵素抽出液から、硫安分画と一連のカラム操作を実施しSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動にて単一バンドとなるまで精製した。当該酵素の分子量はSDS-PAGEで57,000Da、ゲルろ過では59,000Daと概算された。さらに精製酵素を用いて酵素の特性解析も実施し、転移活性を与える最適pH8.5と最適温度40℃も決定した。また、当該酵素は-OH基だけでなく-SH基に対してもグルコシル化する活性を有していることが明らかとなり、本酵素の有用性が広がった。 さらに、精製酵素の内部およびN末端アミノ酸配列情報をもとに作成したプローブと別途構築した部分ゲノムライブラリーから、コロニーハイブリダイゼーション法により当該酵素遺伝子のクローニングを実施した。取得遺伝子断片を解析した結果、当該酵素をコードする領域は1,617bpで、従来のα-アミラーゼファミリーに属する加水分解酵素との相同性は30〜40%と低かった。また形質転換株E.coliJM109/pUGTF-7の無細胞抽出液では比活性2.35nkat/mgとWU-9701の約10倍の活性を示した。 また前年度に引き続きヒドロキノン配糖体であるα-アルブチンの生産詳細条件を検討した。凍結乾燥菌体のみならず培養菌体でも高活性を示し、実用プロセス構築において本酵素の有用性が示された。さらに、カテコール、レゾルシノール、o-,m-,p-クレゾールに対する配糖化活性も確認された。 一方、β-グルコシド生成型グルコース転移活性を有する微生物を新たに分離した。本菌株はセロビオースを糖基質としたアルブチン合成活性を有し、詳細検討中。マルトースを糖基質としてβ-グルコシド生成を触媒するマルトースフォスフォリラーゼに着目し、当該酵素を用いた効率的配糖体生産プロセスの検討にも着手。
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Research Products
(1 results)