2001 Fiscal Year Annual Research Report
イオン識別ホスト化合物クラウン修飾カリクスアレンを用いるイオンセンサの開発
Project/Area Number |
12650800
|
Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
渋谷 康彦 大阪工業大学, 工学部, 教授 (00103002)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤森 啓一 大阪工業大学, 工学部, 助手 (70319573)
森内 隆代(川上 隆代) 大阪工業大学, 工学部, 講師 (60288751)
|
Keywords | ナトリウムイオンセンサ / ビス(クラウン) / 電位差測定法 / PVC膜電極 / ニュートラルキャリア / カリクスアレン / 銀イオノフォア |
Research Abstract |
新規Na^+イオノフォアとして有望なカルクス[4]アレン型ビス(12-クラウン-4)誘導体(Distal-Cw_2H_2)の特徴を活かし、その電極寿命を向上させる目的でDistal-Cw_2H_2の残余2つのフェノール性OH基部位へのアルキル基の導入を試みた。長鎖アルキル基の導入は立体障害のために極めて困難であるが、CH_<3->,C_2H_<5->あるいはC_3H_<7->基については相当するアルキルハライドをNaHの存在下、Distal-Cw_2H_2と反応させることで高収率で3種の誘導体Distal-Cw_2Me_2,Distal-Cw_2Et_2,Distal-Cw_2Pr_2に変換できることを見出した。なお、これらの誘導体の構造は、対面する位置にクラウン環を持つコーン型である。次いで、これらイオン感応物質5mg、マトリックス材(PVC)59mg,可塑剤(DOS, NPOE, FNDPE)125mg、添加塩(NaTFPB)1.2mgからなるPVC膜電極を作成し、電位差測定法により湿合溶液法に従い各誘導体、可塑剤の種類によるNa^+イオン選択性を評価した。(1)Distal-Cw_2H_2系の電極では、DOP<NPOE<FNDPEの順にNa^+選択性が向上する。(2)Distal-Cw_2H_2,Distal-Cw_2Me_2,Distal-Cw_2Et_2,Distal-Cw_2Pr_2系の電極の順に、K^+に対するNa^+選択性は低下するものの、その他の妨害イオンに対するイオン選択性が向上する。(3)イオン認識サイトがリジッドな場合、可塑剤の誘電率によってイオン選択性が大きく影響されず、電極膜作成が簡便である等を見出した。この他、上記と同様の評価方法に従い、モノオキシムとジアミンから得られる9種の環式の含窒素Ag^+イオノフォアのイオン識別能を調べたところ、N, N'-ビス(2'-ヒドロキシイミノプロピリデン)-1,3-プロパンジアミンを用いたPVC膜電極は、優れたAg^+選択性(-logK^<pot>_<Ag,K>=3.35)を発揮することを認めた。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 安田洋一郎, 森内隆代, 澁谷康彦: "電位差測定法による新規カリクスアレン型ピス(12-クラウン-4)のアルカリ金属イオン識別能の評価"Review of Polarography. 47・3. 160-160 (2001)
-
[Publications] 植田正人, 榊尚子, 森内(川上)隆代, 海谷康彦: "銀イオン感応物質としてのジオキシム型シッフ塩基の電位応答性"分析化学. 50・9. 619-623 (2001)
-
[Publications] Takayo Moriuchi-Kawakami, Kejichi Fujirnori, Yasuhiko Shibutani: "Potentiometric SCN-Selectivity of Polymer Membrane with Fixed Organotin Compounds"Chemistry Letters. 2001. 1298-1299 (2001)