2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650817
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
山元 明 東京工科大学, 工学部, 教授 (00247298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 慎二 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創生科学科, 助手 (50324976)
三田 陽 東京工科大学, 工学部, 教授 (20200040)
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Keywords | 無水銀蛍光ランプ / 真空紫外線 / 蛍光体 / 希土類イオン / 発光量子効率 / エネルギー伝達 / 非線型発光 |
Research Abstract |
[I]Xeエキシマーから生じる波長172nmの真空紫外光を可視光に変換するための高効率蛍光体探索を行った。13年度は、量子効率1以上の発光過程(Quantum cutting過程)の可能性を、安定な酸化物(希土類正燐酸塩)について検討した。しかし、添加した希土類イオン間の望ましくないエネルギー伝達により、Quantum cutting過程が阻害されることが明らかになった。このため最終年度である14年度では、母体から発光イオンへのエネルギー伝達効率が高い材料の探索に重点を移した。 (1)母体の基礎吸収端と発光イオンの許容遷移のエネルギーが重なっていることが、上記エネルギー伝達効率の高い条件と考えた。この条件を検証するために、全率固溶体Sr(Y_<1-x>In_x)_2O_4の組成比xを変えて禁制帯巾を変化させ、添加した希土類イオンの相対発光効率を調べた。その結果、Pr^<3+>とDy^<3+>についてx=0.4ないし0.2に最適組成が見出された。 (2)SrIn_2O_4:Pr^<3+>にGd^<3+>を添加すると効率が約2倍に向上する。この効果の原因を明らかにし、他の複酸化物へ適用することを図った。粉末X線回折パターンの解析などから、Gd^<3+>はIn^<3+>を置き換え、電子トラップを形成することにより母体からPr^<3+>へのエネルギー伝達効率を向上すると結論した。 これらの組成物の172nm光励起による発光エネルギー効率は実用蛍光体Y_2O_3:Eu^<3+>の1/3程度であり、禁制帯巾のさらに広い材料で上記の条件を満たすものを探す必要がある、との結論に達した。 [II]高密度電子線励起により、凹凸の激しい粉末層が明るい白色発光を示すことを見出した。この発光は、試料が高抵抗であれば物質によらず現れ、ある電子線電流以上で急速に強くなるという非線型性を示す。電流の閾値を低下させるための粉末層形成法、構造などを検討した。カソード電圧25kV、電子線スポット径約0.3mmで、得られた最低の閾値は0.2mAである。さらに閾値を低下させ、信頼性が上がれば、この発光は照明に応用できると考える。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Yamamoto, S.Okamoto, H.Kobayashi: "Luminescence of rare-earth ions in perovskite-type oxides : from basic research to applications"Jonurnal of Luminescence. 100. 325-332 (2002)
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[Publications] H.Yamamoto, M.Mikami, S.Nakamura: "Nonlinear cathodoluminescence from insulators"Journal of Luminescence. 102-103. 782-784 (2003)
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[Publications] Y.Sato, T.Kumagai, S.Okamoto, H.Yamamoto, S.Tanaka: "Energy transfer between Gd3+ and other rare earth ions in the VUV region"Japanese Journal of Applied Physics. 42(未定). (2003)