2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650818
|
Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF POLYTECHNICS |
Principal Investigator |
岡野 光俊 東京工芸大学, 工学部, 助教授 (30194377)
|
Keywords | ネットワーク / ポリスタンナン / シグマ共役系高分子 / 電解重合 / 紫外可視吸収スペクトル / 蛍光 |
Research Abstract |
昨年度、高分子末端が未処理のままでありブチル基を置換基としてもつネットワークポリスタンナンの合成を確立し、その基本的物性について調べた。本年度は、これをうけ、オクチル基、メチル基、フェニル基を置換基としてもつネットワークポリスタンナン(末端未処理)の合成と、末端処理への再挑戦を目的とした。 オクチル基は、ブチル基とほぼ同じ長鎖アルキル基であり、ポリブチルスタンナンと同様の結果を予想していたが、実際、合成上の特性および基本的物性のいずれにおいても、ほぼ同様の結果を得ることができ、合成を確立した。 メチル基、フェニル基の場合、一応の生成物とスペクトルデータを得たが、スペクトルデータをブチル基、オクチル基の場合と比較すると、ネットワーク構造を持つシグマ共役系高分子の特性という点において、不明瞭であった。これらの出発化合物であるメチルトリクロロスタンナンとフェニルトリクロロスタンナンについては、購入しているモノマーの純度が低いので、モノマーの精製に注意を払いつつ実験を繰り返したが、結果の改善には至らなかった。一言でネットワーク構造と言うが、その実際の構造はさまざまなものが考えられるので、これらの置換基を持っモノマーの場合にはネットワーク構造が発達しにくいものと解釈した。実際、対照実験として行っているネットワークポリシランやネットワークポリゲルマンの合成においても、置換基の種類が非常に大きな意味を持つことがわかっており、その詳細を明らかにすべく実験を継続している。 予定していた各置換基についての一通りの実験を終了したので、最後に再び末端処理に挑戦した。しかしながら、良好な結果を得ることはできなかった。研究期間も終了であるので、末端の処理は不可能と結論し、末端未処理の形での成果発表を行いたいと考えている。
|